岸田総理が山形県内入りし裏金問題を謝罪も県連幹部から厳しい声 マイナ保険証や物価高にも要望
岸田文雄総理大臣が19日、山形県内入りし、デジタルを活用した医療現場の視察や県内の業界関係者らとの車座での対話に臨みました。自民党内の裏金問題について謝罪したものの、自民党県連の関係者からは厳しい声も挙がりました。
正午過ぎ、飛行機で県内に入った岸田総理は、はじめに酒田市の日本海総合病院を訪問しました。5月16日から日本海総合病院で本格運用が始まった診察車を使ってオンラインで遠隔診療を行うことができるサービス「医療MaaS」の車両を視察。また、「マイナ保険証」で診察の受付ができる専用の機械も視察し、ことし12月に現在の健康保険証から移行されることが決まっている「マイナ保険証」の普及に向け取り組んでいく考えを示しました。
視察「機械を使った人は高齢の人も便利だと言ってくれる人もいるし、聞き取りをすると約半数の酒田市民がマイナンバーカードを持っている。これを使って電子処方箋を出すことができる」
岸田文雄首相「日本海総合病院はマイナ保険証の利用や電子処方箋の利用が積極的に進められている。医療界、産業界と一丸となって医療DXの実現に取り組む。ことし12月のマイナ保険証への移行に向けて万全の準備を進めていきたい」
午後からは山形市に移動し、自民党総裁の立場としてさまざまな業界の関係者ら13人と車座での意見交換に臨みました。冒頭で岸田総理は自民党の裏金問題について謝罪しました。
岸田文雄首相「自民党総裁として心からお詫び申し上げないといけない。自民党と共に歩んで良かったと思ってもらえるように自民党は変わっていかなければいけない」
意見交換では運送業や農業の関係者から物価高を受けての厳しい現場の声が寄せられ、金銭面の支援などが要望されました。また、健康保険証を「マイナ保険証」に一本化する制度について疑問の声も上がりました。
マッサージ師「今の健康保険証が12月2日から使えなくなると聞いている。そもそもマイナンバーカードは任意だったのにマイナンバーカードが保険証になったらこれは義務になるのでは」
その後、自民党県連の執行部との懇談が行われました。その場でも裏金問題への対応について岸田総理や党本部に対し厳しい声が上がったということです。
遠藤利明自民党県連会長「県連執行部からは国会の中での対応については理解できるが、国民目線ではまだまだ認識が甘い。もう少し普通の人の話を聞くことが総理だけでなく党を挙げて必要ではないかという意見もあった」
岸田総理は、車座での意見交換で寄せられた要望について「具体的に結果を出すことで信頼回復に努めたい」と述べ、裏金問題などを受け低下している党への信頼の回復のため自民党県連に対しても協力して取り組んでいくよう求めました。