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「全く恥ずかしい」……傷害事件の村議会議長、カメラに語る 録音した「USB」破壊、被害女性に“お礼”で商品券 辞職は否定

2023年6月23日 9:46
「全く恥ずかしい」……傷害事件の村議会議長、カメラに語る 録音した「USB」破壊、被害女性に“お礼”で商品券 辞職は否定

千葉・長生村の東間永次議長が、女性職員にケガをさせたとして略式命令を受けました。議会では辞職勧告決議案が2度可決されましたが、辞職は否定。議長は音声データの入ったUSBを壊し、被害者に商品券を送っていました。事件について自ら語りました。

■車内で女性職員にケガをさせて逮捕

「辞職勧告を出されたのは私に責任があります」「全く恥ずかしいという気持ちになりました」

カメラの前でこう話すのは、千葉県唯一の村・長生村の村議会の東間永次議長(77)です。今年4月、役場の歓送迎会の帰り道。6人が乗った車内で運転席の真後ろに座っていた東間議長が、運転していた女性職員(当時27)の左腕を殴り、髪の毛を引っ張ったり、シートベルトで首を絞めたりした疑いで逮捕されました。女性は全治2週間のケガをしました。

■当初否認も…音声に「記憶が違った」

1990年に初当選してから30年以上、村議を務める東間議長。事件について自ら語りました。「(当日は人生で)2番目くらいに飲みました。恥ずかしいと思っています。好きなカラオケも1曲も歌えませんでした。歌は歌えないけども、ボトルを1本また飲んだらしいです」

――そこも記憶がない?

「それは飲んだ。だいぶいい気持ち」

泥酔したためか、記憶があいまいだったとしています。そのため当初は容疑を否認していたといいますが、車内での事件の一部始終を録音した音声を聞かされたといいます。

東間議長
「テープを聞かされました。(車内で)眠っていたと思ったら、とんでもない暴言を吐いたり、パワハラといいますか、全く恥ずかしいという気持ちになりました。と同時に私の記憶が全く違っていた。『私が(やった)』ということで、自白…自供しました」

6月5日、略式命令を受けて罰金20万円を納めました。

■音声を聞いた村議「怖かったと思う」

暴行を記録した音声を聞いた矢部文美村議は 22 日、涙ながらに語りました。

「内容がとにかく聞いていられない。それくらい結構つらい言葉。卑猥(ひわい)。(当時)27歳の事務局の子が77(歳)の上司にされたら、それはもう、怖かったと思うし。本当、こういうことがあってはいけないですね」

ただ、この音声データについて、東間議長が思わぬ行動を取っていたことが明らかになりました。東間議長は「『なんで?』っていうことで、ちょっと力を入れちゃったんですけども、そしたら壊れちゃった」。音声データが入った USBを破壊していました。

――USB を壊した理由は?

「なんで録音されなきゃいけないのか。どうして和気あいあいと毎日過ごしてた人たちが録音なんかするんだ、って。寂しかったですね、やっぱり」

■事件直後…「商品券を渡しました」

思わぬ行動はこれだけにとどまりませんでした。

「(事件から3日後の)10日に、彼女に商品券を渡しました」と東間議長。事件直後、被害に遭った女性職員に対し、1万円の商品券を渡していました。ただ、謝罪ではなく「日頃のお礼」として渡したといいます。

■「やり遂げたいことがある」…辞職否定

この事態を受け、議会では2度の辞職勧告決議案が可決されました。ただ、辞職する意思はないといいます。

東間議長
「自分…情けないですけどね。やり残したことがありますので、やり遂げたいと」

近くの道路への歩道の設置や、津波避難施設の増設など、やり遂げたいことがあるとして、辞職を否定しました。

■町長も「辞職勧告決議案に従って」

この対応に村民からは「恥ずかしいという一言で、早く辞めていただきたい」「面の皮が厚いっていうか、堂々とよく続けられるなと…」といった声が聞かれました。

小高陽一村長も、東間議長の姿勢に疑問を投げかけます。
「(私に対して)『議長として間違い犯したらいつでも辞めるように、辞表を議会の事務局長に預けてある』とまで言っていましたからね。普段私が聞いていたことと違うんじゃないかな。議会で行った議員辞職勧告決議案に従っていただけたらなと」

(6月22日『news zero』より)

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