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住民自らボランティア参加…被災者同士の“助け合い”も 能登半島地震から30日

2024年1月30日 20:31
住民自らボランティア参加…被災者同士の“助け合い”も 能登半島地震から30日
能登半島地震から、まもなく1か月を迎えます。ボランティアによる活動が徐々に広がっていますが、その中には被災者自身もボランティアに参加する様子も見られました。

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100人以上の人が亡くなった石川県輪島市で、30日、雨が降る中、倒壊した家屋で探し物をする男性がいました。

「女房の毛布、帽子。女房のものが見つかると、そりゃ泣けてくるよね」

この家に住んでいた楠健二さん(55)です。この場所で、妻の由香利さん(48)と長女の珠蘭さん(当時19)が亡くなりました。

楠健二さん
「女房に怒られると思うよ、生きていた珠蘭を助けられないというのは。どうしても許せない、俺の中では」

地震直後、楠さんは、下敷きになった娘から目の前で助けを求められたといいます。

楠健二さん
「出そうと思っても出せなかったのは一番つらいよね。目の前にいるんだよ、自分の娘とか大好きだった女房がいるのに出せない。こんなに悲しいことはないよ。俺は耐えられないよ、頭おかしくなるよ」

近くの輪島朝市で大規模火災が発生。楠さんの目の前を10台ほど消防車が通りましたが、止まってくれる消防車は1台もありませんでした。

楠健二さん
「まさか自分がこうなるなんて夢にも思っていない。朝起きたらやっぱり夢であってほしいって思うもん。取材あんまり好きじゃないんだけど、世の中に伝えとかなきゃいけねえかなって」

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地震からまもなく1か月。決して癒えることのない傷。少しでも被災者の助けになろうと、穴水町では、石川県が募集したボランティアが27日から活動を行っています。

おとな数人でようやく持ち上がる冷蔵庫。30日、ボランティアが訪れていたのは、70代の男性が一人で暮らしている住宅です。

そのボランティアの一人、松林さん(72)は、家財道具などの運び出しに加え、災害ゴミ置き場への運搬も行っています。

松林さん(72)
「4キロくらい先に(ある)家が潰れていて」

実は松林さんは、ボランティアでありながら、自らも被害にあった被災者です。

松林さん
「これ(軽トラック)は自分のなんです。僕が利用してくれって言って。体も利用してくれ、車も利用してくれって」

ただ、“災害ごみ”を捨てる作業中に、つらくなることもあります。

松林さん
「長年利用したものを持って行くとさみしいね。服だったり、着物だったり、ばあちゃんが捨てたものを(軽トラに)積んでいったが、さみしかったね。何とも言えん」

穴水町では、石川県が募集したボランティアが毎日15人ほど活動しています。人手は全く足りていませんが、災害ボランティアを受け入れる関則生さんは、道路状況が悪いなどの理由でこれ以上は厳しいと話します。

災害ボランティアセンター担当 穴水町社会福祉協議会 関則生事務局長
「約270件のニーズがあります。一日に活動できる件数は、今のところ5~6件」

住民からニーズを聞き、ボランティアを振り分ける関さん。ただ、関さん自身も被災しました。

関則生事務局長
「私の自宅は住める状態ではないので、避難所生活です。皆さん困っていますので、できるだけ力になれるようにという思い」

地震からまもなく1か月。被災者同士が支え合う厳しい現状が続いています。
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