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3回目接種でオミクロン株に効果?最新情報

2022年1月1日 12:00
3回目接種でオミクロン株に効果?最新情報

新型コロナウイルスが確認されて丸2年がたち、私たちのこのウイルスとの戦いも3年目に突入する。オミクロン株の出現により、新たな感染拡大への懸念が強まる中、ワクチンの3回目接種やオミクロン株について、知っておきたい最新情報を専門家に聞いた。

■“初回接種”の記憶を思い出させる3回目接種

医師で、厚生労働省のワクチン分科会委員でもある川崎医科大学の中野貴司教授は、オミクロン株の懸念が強まる中、「流行前に3回目の接種を進めるのが大切」だと話す。

※インタビューは2021年12月21日に行いました。情報は当時に基づきます

――3回目接種はなぜ必要?

1回目2回目の接種をあわせて“初回免疫”と呼んだりしますけど、初回後にある程度たつと抗体が下がってくるように、だんだん免疫は落ちてきます。

でも体の中には、病原体に対する“免疫の記憶”は少し残っていて、落ちてきた免疫をより高くしてあげるために3回目を打つ、ワクチンにはこのような考え方があります。

中野教授によると、ウイルスと戦うために我々が持つ免疫は複数ある。1つは、接種後、ウイルスと戦う抗体の量が上昇する「抗体価」。それ以外にも、ワクチン接種や感染したことによってウイルスとの戦い方を覚える「免疫の記憶」など。3回目の接種は「免疫の記憶」を呼び起こすためのもので、より強い免疫がつくという。

――3回目接種をいつすべきか、議論があった。効果としては、6か月か8か月か、実際いつ打つのが最もよい?

なかなか難しいです。一般的に、色々なワクチンで追加接種が必要な場合、初回接種(今回なら1・2回接種)から半年以上たって行う場合が多いです。

半年というのは1つの目安になると思います。海外では4か月で行っている国もあるかと思いますが、何か月が一番いいかは、はっきりわかってはいない。

■オミクロン株流行前に3回目接種を

――日本は感染状況が低い水準。あまり早く打つと、オミクロン株が感染拡大する前にまた抗体の量などが下がるのでは?

ワクチンは予防の手段ですから、できれば感染する前に予防したいわけですので、流行がないうちにしっかり(ワクチンを打って)適切な予防手段を講じておくというのは原則だと思います。

流行していると、医療資源もそちらに費やされますし、接種に行く方もあまり外出したくないと思うので、ある程度落ち着いているところで追加の接種を進めることは大切だと思います。

■“オミクロン株用”ワクチンの開発は待たなくていい?

――ファイザーなどは、オミクロン株にあったワクチンの開発を進めているという報道もあった。それを待たずに今あるワクチンで3回目接種をすべきか?

ウイルスが変異する場合、ウイルスにあったいいワクチンを使う方が予防には有用だと考えます。インフルエンザだと、変異しやすいので、毎年その年に流行するだろうというタイプを予想して、ワクチンを製造します。

新型コロナも、オミクロン株にうまくあったワクチンがあれば、もちろんそれを使うのが望ましいと思います。ただ、いつできるかはわからない。それと、オミクロン株以外が次の流行の山になるということ(可能性)もわからないです。それを考えると、手元にある予防の手段(ワクチン)を打つのが現在進める手段だと思います。

■1・2回目と同じワクチンか交互接種・・効果が高いのは?

1・2回目にファイザー製を打った人が3回目にモデルナ製を打つなど、異なるメーカーのワクチンを打つ「交互接種」。効果や副反応は?

――1・2回目と同じワクチンを打つ場合と「交互接種」、より効果が高いのは?

抗体価の数値だけをみると、現状では、3回目に異なるワクチンを打った方が高いというデータはあります。ですが、その数値に一喜一憂する必要はないと思います。

医学的に考えれば、数値の少しの違いというのは、数値の上での差異であって、それによって大きく効果に関わるものではない場合の方が多い。一旦高く上がった抗体価がどれくらい続くかもまだわからない。同じワクチンを打っても、交互接種でも、ほぼ同等の効果が得られるとの考えでいいと思います。

■3回目接種の副反応は?接種後の「ワクチン休暇」必要?

――3回目接種での副反応の傾向は

個人差もありますが、総合的に考えると、だいたい2回目の接種と同じような感じだと思っています。職場の事情にもよると思いますが、2回目とほぼ同じくらいのことが想定されると思って、少なくとも休める環境は整えた上で。

私たち(医療機関での接種)も、同じ職場の人間は同じ日に受けないようにスケジュールを組んで、病院機能を維持するために計画しました。

――同じワクチンと交互接種で、副反応が強く出るなどの違いは

なかなか難しいが、おおむね同一ワクチンと交互接種の方で、ほぼ同一と考えていいと思います。

■重症化少ないオミクロン株も「大丈夫と言う国は1つもない」

――オミクロン株は、ワクチンの接種率が低い南アフリカでも、重症化する人が少ないとの話も?

ワクチン接種率が低い国でも、重症化しやすいという報告は今のところないと理解しています。ただ、たくさん患者が出れば、高齢者や基礎疾患のある方とか、元々新型コロナで重症化しやすい方は、やはり重症化し、流行したらお亡くなりになる方も一定数出てくるのは確かです。

――重症化しやすいわけでなくても、やはり3回目接種は必要?

実際、オミクロン株が大きく流行している国で「(症状が)軽いから患者さんが出ても大丈夫」としてる国は皆無、1つも今のところないですよね。

患者さんが出ている地域で、対策をより厳しくしているということは、患者さんが増えると医療の逼迫(ひっぱく)含め色々と大変な状況になるからじゃないかと思います。

――1・2回目接種では、ワクチン接種が大きく呼びかけられた。同じように、3回目接種も必要か

社会での「感染拡大防止」と個人の「重症化防止」と、この2つがクリアされていません。社会の感染拡大が、これまでの2回の接種で防げていないことは、現在オミクロン株が流行している各国の状況でわかると思います。

個人の重症化予防に関しても、諸外国で「2回接種しているし、大丈夫になったね」という国は、残念ながらまだ1つもない。この2つの観点からすると、やはり3回目接種をご検討いただきたいと思います。