症状に違い…2度感染した女性のメッセージ
新型コロナウイルスに2度感染した女性に話を聞きました。前回と症状に違いがあり、オミクロン株への警戒を緩めないよう訴えました。一方、自宅療養者を往診する医師によると去年の第5波と違い、感染急増の今は「往診ゼロ」が続いています。その理由とは?
■1度目感染で「後悔」…女性の思い
「おととい陽性と判明して、自宅療養中です」
20日の取材でこう話すのは、新型コロナウイルスに2度目の感染をしたという、都内に住む30代前半の女性です。
岩本乃蒼アナウンサー
「また新型コロナに感染するというのは…?」
女性
「正直、1回かかったしもう大丈夫だろうという気持ちはありました」
約1年半前の2020年7月にも取材に応じ、「10時くらいから朝5時くらいまで、ずっと歌舞伎町でいろんな店をハシゴしていた」と話していた女性。妹の感染も分かり、家族にうつしたかもしれないと後悔していました。
2度目の感染の心当たりについて女性は「久々に、それこそ前回コロナにかかった時ぶりくらいに、飲みに行ってしまったんです。そしたら、また感染してしまいました」と言います。
■のどの痛み、せき…前回にない症状
症状の違いについて、前回は「最初に38.8度の熱が出て、インフルエンザよりかなり症状が重いというか、頭痛と吐き気がすごかった」と当時の取材に答えていました。一時、嗅覚の異常もあったといいます。
一方、今回の症状はどうだったのでしょうか。
女性
「熱は高くなくて37度くらいの微熱だったんですけど、倦怠感と、少し気持ち悪いなという感じがあって、月曜日(17日)には頭痛と嘔吐がひどくて。今回はのどの痛みが現れて、あとせき、くしゃみが出始めて。嗅覚とか味覚の異常は全くなかったです」
20日の取材時点で、女性がオミクロン株かは分かっていませんが、東京では今、オミクロン株が95.3%とほぼ置き換わっています。
岩本アナウンサー
「これだけ感染者が増えている中で、皆さんに伝えたいことは?」
女性
「(オミクロン株は)風邪症状とよく言われていたので、それくらいで済むと思っていたので、『これは風邪じゃないでしょ』ってもう、言いたいですね。本当に、甘く見ない方がいいなと、身をもって思いました」
■第5波で「700件」診療も…今は
一方、デルタ株が猛威を振るっていた去年の第5波のさなか、自宅療養者の往診に追われていた医師に取材しました。
第5波では、延べ700件ほどの診療に当たった「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長は「実際に往診するという場面はほとんどありません」と言います。
飲み薬のモルヌピラビルも用意して備えていますが、この2週間、往診はゼロ。感染拡大真っ只中にもかかわらず、なぜなのでしょうか?
田代院長
「僕らも連絡を受けて『ついに往診来たか』となるのですが、(症状を)聞いていると『これ軽症だからお家で時が解決しますよね』のような話をします。そうすると、もう次の日とかには『もう良くなりました』なので」
第5波とは違い、重い肺炎を起こす患者はほとんど見られないといいます。ただ、東京の病床使用率は20日で28.9%。この先も感染者が増え続け病床がひっ迫すると、どうなるのでしょうか。
田代院長
「(ブースター接種がまだで)免疫力が落ちている可能性のある高齢者が本当に重症化するとしたら、そういった方が往診するメインの患者層になるのではないかと、心の準備をしています」
(1月20日『news zero』より)