「まん延防止」適用の夜…飲食店“選択”は
21日からまん延防止等重点措置が適用された東京。認証店では、酒を提供するかどうかが、店の判断に委ねられています。さらに売り上げに応じても変わる、協力金の額。金曜日の夜、それぞれの店の“選択”などを取材しました。
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認証店では、酒を提供するか店の判断に委ねられる中、東京・新橋にある飲食店では、「酒あり・午後9時まで」の時短営業を選択しました。
酒は午後8時がラストオーダーで、客は最後の酒を味わいながら飲んでいました。
同じく、「酒あり」の時短要請に応じる北区にある焼き肉店では、その初日、厳しい現実が…。
“酒あり”時短営業・焼き肉店オーナー
「今日も2組くらい予約あったんですけど、どちらもキャンセルで。明日、あさっても(予約が)入っていたが、いま5件、6件キャンセルになってしまいましたね。全て理由はコロナで」
そのため、午後9時の閉店時間まであと1時間ほどの段階で──
焼き肉店オーナー
「…じゃあ、店閉めましょうか。締め作業お願いします」
あまりの客足の悪さに、早々に店を閉めることになってしまいました。土日の様子を見て、週明けからは休業も検討しているといいます。
焼き肉店オーナー
「いやー、厳しいですね…。ちょっと今だったら、休業の方が濃厚かなと思いますね」
一方、墨田区にある、20日までは24時間営業だった居酒屋は、21日から午後8時までの時短で、酒の提供をやめました。居酒屋チーフに話を聞きました。
──提供できなくなった酒は、どうされるのですか?
“酒なし”時短営業・居酒屋チーフ
「生ビールも酎ハイも両方とも入っている状態で、(おととい)最後のお客さまに出すのに開けちゃったんですけど…廃棄になっちゃいますね」
酒は行き場を失っていました。
──酒類を提供しないと決めた理由は?
居酒屋チーフ
「一番は、協力金の差額ですね」
「酒を提供するか、しないか」、さらに「売り上げに応じて」も変わる、協力金の額。この店の場合、「酒あり」だと1日7万5000円なのに対し、「酒なし」だと10万円と、2万5000円の差があります。
居酒屋チーフ
「まん延防止措置が出る前から、1月初旬からずっと売り上げが下がってきていたので、酒類を提供しないことによって(協力金)2万5000円の差額をもらえるのであれば、そっちの方がいいなと」
結局、21日夜の来店客は1人もいませんでした。閉店後も、デリバリーやテイクアウトは続けていくということです。
酒の「ある・なし」にかかわらず、再び時短が求められる中、午後9時を過ぎても、新橋の飲み屋街の明かりは消えませんでした。
午後10時に近づいても営業を続ける店も多く、店内は客であふれていました。
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東京の新たな感染者は、1万人に迫る「9699人」と3日連続で過去最多を更新しました。
感染経路別では、家庭内感染が2059人で最多でした。また、都内の4つの大学では学生寮でクラスターが発生し、そのうち1つは、21日だけで学生32人の感染が確認されました。
全く歯止めがかからないオミクロン株の感染拡大。
都の病床使用率は31.5%と、日に日に上昇しています。重症者は2人増え、11人となりました。
(1月21日放送『news zero』より)