三重・御浜町の夜行バス事故 バス会社“運転手は勤務開始前に9時間ほど仮眠や休憩とっていた”
22日の夜に三重県御浜町の国道で夜行バスが林に突っ込み運転手が死亡した事故で、バス会社は、運転手は勤務開始前に9時間ほどの仮眠や休憩をとっていたと述べました。その上で、事故の再発防止に向けた運転手の健康管理の徹底などを強化することを決めたということです。
警察などによりますとこの事故は、22日夜、三重県御浜町の国道42号でバスが道路脇の防風林に突っ込み運転手の橋爪悟司さんが死亡したものです。
バスは、和歌山県那智勝浦町から都内の複数エリアを経由して、営業所のある埼玉県さいたま市に戻る予定だったといいます。
運行する西武観光バスは事故を起こしたことを謝罪、再発防止に取り組むとしました。
そして事故当時は運転手2人体制で運行しており、適切な運行体制だったと述べたほか、運転手は、事故前日の朝に勝浦温泉に到着後、午前9時から午後6時頃までは仮眠や休憩を取っていて、三重交通の営業所から午後6時43分に出発したということです。また運転手に、持病や常に服用していた薬もなかったなどとコメントしています。
この運転手は、2006年の入社以降、約18年にわたって一貫して大型高速バスを担当していたベテランで、これまで事故歴もなく、勤務態度にも問題がなかったということです。
事故当日の出発前に実施する点呼では、健康状態に問題はなかったといい、また、アルコール検査も実施済みで、運転手に異常がみられなかったといいます。
西武観光バスはこの事故を受けて23日午前、5か所ある営業所に、運転手の健康管理を徹底するよう注意喚起したほか、現在運用している車両の保守や点検の基準については、「一般論としてはさらなる基準の引き上げを検討することも必要だと思う」など述べました。