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嫌だと言っていい、あなたは悪くない…被害予防・被害対応のポイントとは?【こども・若者の性被害をなくそう】

2023年8月5日 10:00
嫌だと言っていい、あなたは悪くない…被害予防・被害対応のポイントとは?【こども・若者の性被害をなくそう】

こどもや若者への暴力(性暴力含む)をどう防ぐか、関心が高まる中、暴力の防止教育プログラム「CAP:Child Assault Prevention」というものがある。CAPのトレーナー・ディレクターとして25年以上、いじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といったさまざまな暴力から、こどもたち自身を守るための人権教育に取り組んできた木村里美さんに、こどもの被害防止と被害に遭ったこどもとの接し方のポイントを聞いた。

■CAP:こどもへの暴力防止プログラムとは?

木村里美さんが所属するJ-CAPTAによると、子どもを対象にしたプログラム(子どもワークショップ)では、発達段階にふさわしい寸劇、歌、人形劇、討論などで、暴力防止の具体的対処法を教えるということです。従来の「~してはいけません」といった危険防止教育ではなく、「~することができるよ」と身を守るための行動の選択を練習し、子どもが本来持っている「生きる力」を引き出す。

木村さん:前提として、こどもたちが安心して学べるということ。そして暴力の正しい情報をしっかり伝えること。そしてどの子も自分は大切だ思えるようにすることを、ワークショップでは大切にしています。その上で、自分には権利があるということ。安心・自信・自由の権利があって、もしそれがなくなりそうなときにはできることがあるのだということ。具体的には、次のことを伝えています。

●嫌だと言ってもいい
●逃げてもいい
●誰かに相談しよう
●もしそれができなくても、あなた悪くないよ
●その後でもできることがあるよ
●信頼できる人に相談しよう、諦めないで相談しよう

■信頼できる大人を増やしたい

私たちは28年前から日本でCAPの活動しているのですが、そのときから、女子も男子も被害に遭うということ、それから知っている人が加害者になることが多いことも伝えてきています。社会全体では、そうした正しい情報がずいぶん周知されるようになったなというふうに思います。こどもの権利が、広く土台にできてきたと思いますね。

その上で、さらに期待することとしては、私たちはこどもたちに「諦めないで、信頼できる人に話し続けよう」と言っていますので、やはりこどもが話をしたときに、大人は本当に信じて聞いてほしいなと思います。信じて聞くこと、それが応急手当になるので、ぜひそういう大人が増えてほしいなと思っています。

そのためには、やはり正しい知識がまだまだ不足しているかなと思うので、大人の私たちも正しい知識をしっかり持つ必要があります。良かれと思って言ったことが、こどもを傷つけることにつながることもあるので、「話してくれてありがとう、信じるよ」そして「被害者は悪くない」ということを、しっかり早い段階でこどもに伝えられる大人が増えてほしいと思います。私たちはそれを「信頼できる大人」と名付けているのですが、そういう大人がこどもの周りにいてほしいなと思います。

■更なる予防教育の充実を

やはり法整備が進むことは本当にありがたい、喜ばしいことだと思います。同時にそこで予防教育にしっかりと予算もつくこと、予防教育こそ進んでほしいなと思います。被害に遭った後の対応もとても大事なのですが、それと同時に、被害に遭う前の予防に力を入れてほしいなと思います。