値上げの波が“鍋”を直撃 食材だけではなく“土鍋”や“ガスボンベ”も…
寒くなり鍋が恋しくなる季節になってきましたが、その鍋に値上げの波が直撃しています。食材だけでなく、土鍋やカセットボンベまで影響が出ているといいます。
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東京・両国にあるちゃんこ鍋の専門店を訪ねました。
客
「最近、寒くなったので、鍋食べたいねって言って予約してようやく来られた」
「迷わず来ましたもんね」
「きょうは絶対ちゃんこを食べたいと思って」
寒くなると、恋しくなるのが鍋です。今後、鍋の需要がさらに高まることが期待されていますが、食材に値上げの波が押し寄せています。
ちゃんこ巴潟 両国店 人見一範店長
「スープをとるすべての調味料から野菜関係、お魚関係、すべて値上がりしています」
その影響でこの店では先月から、ちゃんこ鍋の値段を約10%値上げしました。さらに、今心配しているのがつみれに欠かせないイワシの不漁です。
ちゃんこ巴潟 両国店 人見一範店長
「特にイワシが不漁ということで、さらに値上げの恐れがあって」
値上げに不漁と、厳しい状況だといいますが、「これ以上、メニューの価格を上げないようなんとか頑張っていきたい」と話しています。
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値上がりは食材だけではありません。
主に陶磁器の食器などを扱う会社によると、鍋に欠かせない土鍋にも値上げの波が来ているといいます。
アイトー 企画開発担当・福元敬明さん
「昨年と比べると国産の商品ですと、15%くらい価格が上がってきていますし、輸入商品はものによっては2倍の値上げになっているものもございます」
国産・輸入ともに土鍋の原材料費や燃料費などの高騰が原因だということですが、輸入土鍋はこれに加え円安の影響が大きいといいます。
アイトー 企画開発担当・福元敬明さん
「かなり円安が進んでいるのが、影響していると思います」
この企業では百貨店などに土鍋を卸しているといいますが、すでに仕入れ値の高騰が販売価格にも反映されているケースがあるといい、これ以上値段が上がることを心配していました。
アイトー 企画開発担当・福元敬明さん
「かなり値段が上がってくると、“買い控え”とかに影響してくるかなと」
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値上げの波は、カセットコンロを使う際に必要なガスボンベにも及んでいます。
ニチネン 営業統括部・土田晋太郎さん
「去年から中身のガス、あとは缶の鉄資材、この辺がじわりじわり上がっておりまして」
円安の影響などもあり、去年から3回ガスボンベの価格を改定しました。改定前に比べると2割強高くなったといいます。
ニチネン 営業統括部・土田晋太郎さん
「ここまで何回かにわたって、(価格改定を)やるのは異例なこと 」
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さまざまなものが値上げとなる中、お得なサービスも出てきています。
大手コンビニチェーンのローソンで11日から始まったのが、「おでん鍋割セール」です。(来年2月27日まで)おでんを販売し、かつ“値引き”実施の掲示をしている店舗に限られますが、鍋などのふた付きの容器を持参することで、5個以上の購入で39円値引きになるということです。
ローソン 広報部・持丸憲さん
「少しでもお買い得に感じていただけるような施策を通して、プラスチック削減の取り組みにもつながればと」
おでんの容器で使うプラスチックを減らそうというSDGsの取り組みで、去年から始めたということです。