検査せず“みなし陽性”診断…クリニック「検査キットが不足している」
7日、東京都で新たに1万2211人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。 医療現場では厳しい戦いが続いています。あるクリニックでは、患者が検査を受けずに「みなし陽性」と診断されました。それでも「検査は追いついていない」といいます。
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7日夜、北京オリンピックが盛り上がる中、まん延防止等重点措置が適用されている東京都内では――
記者
「午後9時を過ぎましたが、お酒でしょうか。店内で飲食しています」
午後9時を過ぎても、居酒屋でテレビ中継を見ながら食事を楽しむ人の姿がありました。東京都内では7日、月曜日としては過去最多の1万2211人の新型コロナウイルス感染が確認されました。
感染拡大が止まらない中、医療現場では厳しい戦いが続いています。
東京・文京区の東京医科歯科大学病院では4日、陰圧の車いすで重症患者が搬送されました。スタッフが画面を見せ、重症患者と直接会えない家族がテレビ電話をする様子もありました。
この病院では、6床ある重症病床の5床が埋まっていて、一般患者用の集中治療室(ICU)を減らし、病床を2倍に増やす工事を開始しました。「患者に手術の延期の依頼をせざるを得ない」といいます。コロナ重症病床を増やす影響について、医師は――
東京医科歯科大学・呼吸器内科医局長 岡本師医師
「通常通りに入院・検査が行われない(一般診療の)患者さんが増えてくる」
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軽症から中等症患者を受け入れる東京・江東区のあそか病院では7日、16ある病床が満床になりました。
医師
「体調はどうでしょう?」
中等症患者
「息苦しい感じが続いています」
この病院でも、一般診療に影響が出ています。
伯鳳会グループあそか病院 白石廣照医師
「(一般)救急の受け入れをご遠慮頂くことは2、3例ございました」
先週、東京都からの要請を受け「救急患者用の病床を3床確保した」といいますが――
伯鳳会グループあそか病院 白石廣照医師
「3床埋まったらすぐ入退院を調整して、もう少し経過観察が必要な患者さんも現在は緊急事態ですので、やむをえず退院して頂いているような状況」
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発熱外来を行う神奈川・川崎市にある多摩ファミリークリニックでは5日、診療時間の開始直後から電話が鳴り続いていました。
クリニック
「予約がいっぱいでして、お受けすることが難しい状況に」
受けられない予約の数は、1日約40件にのぼるといいます。
このクリニックでは、患者との間に感染対策の仕切りを置き、診察していました。発熱外来では、40代の女性患者が、検査を受けずに陽性と診断される「みなし陽性」となりました。
医師
「同居のご家族が陽性で、ご自身も症状出てきているので、検査しなくても陽性ですよって判断できるようになった。どうします?そういうふうに届け出だすのも1つだし」
発熱外来の患者(40代)
「どっちも同じですか?自宅療養の期間とか?」
医師
「自宅療養の期間は変わらないです」
発熱外来の患者(40代)
「同じですよね。それであれば検査なくても… 」
それでも減らない患者に、「検査は追いついていない」といいます。
多摩ファミリークリニック 大橋博樹院長
「検査キットが不足しているという問題がある。残念ですけど、検査を省略しつつ進めていくということがいまキーになっている」
――そういう中でも、手が届かない患者がいる?
多摩ファミリークリニック 大橋博樹院長
「そうですね。それで増やせて10人くらいだと思うが。(高齢者で)熱があるけど、自宅で療養していて、重症化するという方が出てきているので、苦労なく外来に来られる体制に早くもっていきたい」
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一方、千葉市では6日、フィギュアなどを展示・販売するイベント「ワンダーフェスティバル2022(冬)」が行われました。
記者
「分散入場をしているためか、会場への人の流れがスムーズな印象を受けます」
出展した造形作家
「久しぶりのワンフェス、楽しくやっています」
来場者
「工夫を自分の目で見られるので、そこが一番ですね。やっと見られたって感じです」
感染拡大前は例年5万人が訪れていましたが、約2年ぶりとなる今回は上限2万人に制限。入場時間を分け、人流センサーを設置するなど、感染対策を徹底した上で開催されました。
ワンダーフェスティバル実行委員会代表 宮脇修一さん
「今回の最大のテーマは安全に。ギリギリまで僕らも状況を見ながら、ルールにしっかり従って、様々な人たちの気持ちも受けて、イベントの開催とさせていただいた」
(2月7日放送『news zero』より)