脱毛でシミ、リフトアップで神経マヒ……「美容医療」相談急増の実態 「今やらないと…」料金トラブルも ガイドライン策定へ
身近になってきた美容医療をめぐるトラブルが急増しています。厚生労働省が27日夜に初めて開いた検討会では、美容医療に関するガイドラインやルール作りなどを取りまとめることになりました。現状の課題や、被害に遭わないための対策を考えます。
藤井貴彦キャスター
「厚生労働省が27日夜に初めて、美容医療についての会議を開きました。二重まぶた、医療脱毛、脂肪吸引など美容を目的とした医療のことですが、最近は大分増えてきたように思います」
シシド・カフカさん(ミュージシャン・『news zero』木曜パートナー)
「脱毛の話は日常的に聞くようになりました」
藤井キャスター
「多くの医療機関は安全に配慮して行っているということですが、その一方でトラブルも急増しています」
「国民生活センターによると、美容医療サービスの相談件数は2019年度は2036件でしたが、今年3月までの2023年度は6264件で3倍以上になっています」
「脱毛した後にシミが残ってしまった人や、顔のたるみなどを改善するリフトアップを受けた後、顔面の神経がマヒしてしまった人もいたそうです」
「他にも治療をめぐる相談では、おでこのシワを改善するためにボトックス注射をした人のケースがあります。打った5日後から左目が開かなくなり、常にウインクしている状態で右目だけの生活になり、『いつ左目は開くのか…』という相談が寄せられました」
「料金をめぐるトラブルもあります。30代の男性が『発毛治療が月々1500円~』というネット広告を見てクリニックに行くと、医師から『もう少し進行すると手遅れだった。今なら間に合う』などと言われ治療をスタートしました」
「ただ月々1500円のはずが、月4万円のプランを『今やらなければ間に合わない』と勧められ、高額な契約をしてしまったそうです」
藤井キャスター
「悩んでいるからこそ治療を受けたのに、かわいそうなことになりましたね」
小栗委員長
「美容医療のほとんどは自由診療なので、クリニックによって料金は違います。また現在はトラブルがあっても、金額や診療内容が妥当かどうかを審査する制度などはありません」
「27日夜の厚労省の検討会では、『今出ている相談事例は氷山の一角だ』という指摘も上がりました。美容医療に関するガイドラインやルール作りなど、問題点や課題について年内をめどにとりまとめを行うとしています」
藤井キャスター
「被害に遭わないようにするためには、どうすればいいのでしょうか?」
小栗委員長
「消費者庁などは、美容医療を受ける前に確認すべきチェックリストを作っています」
「『効果だけでなくリスクや副作用なども納得しましたか?』『その美容医療は今すぐ必要ですか?』『使用する薬などを自分でも説明できますか?』『ほかの選択肢も説明を受け、自分で選択しましたか?』という4つの項目が記載されています」
「これら4項目全てにチェックが入らない場合や、『今契約すれば安くなる』といった勧誘などには十分注意するよう呼びかけています」
カフカさん
「美容医療を受ける前に、リスクや副作用を自分ごととして理解し、しっかりと自分自身の今の状態に見合った医療機関を見極める必要があるなと思いました。自分でリスク管理をしなければならないなと思いますね」
藤井キャスター
「美容医療の中にはクーリングオフできる例もあります。おかしいなと思ったら『医療安全支援センター』や、全国共通の消費者ホットライン『188(いやや)』などに相談してみてください」
(6月27日『news zero』より)