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「紫雲丸」事故から60年 高松市で慰霊祭

2015年5月11日 22:17
「紫雲丸」事故から60年 高松市で慰霊祭

 修学旅行生など168人もの犠牲者を出した旧国鉄の連絡船「紫雲丸」の事故から11日で60年。香川県高松市では合同慰霊祭が行われ、高知県や愛媛県などからも多くの関係者が訪れた。

 高松市西方寺の境内にある慰霊碑のもとには生存者や遺族など多くの関係者が県内外から訪れ、犠牲者を追悼した。

 昭和30年5月11日早朝、濃霧の中、香川県から岡山県に向かっていた旧国鉄の紫雲丸は、同じく旧国鉄の貨物船と衝突。168人が犠牲となった。遺族や生存者の高齢化も進み、年々、慰霊祭に訪れる人も減っているという。

 紫雲丸事故の生存者・赤川庄市さん(90)「小学生とか中学生が乗っていたでしょう。あの思い出が頭に残って、かわいそうでな」

 紫雲丸の事故では、高知、愛媛、島根、広島の小・中学校の修学旅行生100人が犠牲になっており、高知の南海中学校をはじめ、各学校の関係者も参列した。

 紫雲丸事故の生存者・真鍋寛定さん(71・当時庄内小)「皆さん話していない方が多いようですけど、私はそれでは困ると思っていて。多くの方にそれを知ってほしい。特殊な事例だけども、その中に普遍的な要素がある」

 慰霊祭の後、修学旅行生の関係者は献花のため現場海域に向かった。

 穏やかな瀬戸内海で起きた悲劇から60年、「安全」を守り続けるためにも語り継ぐことが求められている。