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“インフル”ワクチン不足 回避の見通し

2015年10月22日 1:37
“インフル”ワクチン不足 回避の見通し

 この冬のインフルエンザの予防接種のワクチンについて、およそ3割を製造するメーカーが出荷を自粛し、ワクチン不足が懸念されていた問題で、21日、厚生労働省は出荷を認めた。

 インフルエンザワクチンのうち、全体のおよそ29%を製造する化学及血清療法研究所(=化血研)は、ワクチンの製造工程の一部が、国から承認を得た方法と違うことがわかり、先月から厚生労働省の要請で、ワクチンの出荷を自粛している。

 厚労省によると、承認された内容と異なるのは、「精製水」のかわりに「注射用水」が使われていたことや、塩化ナトリウムの量が多いことなどだったが、厚労省はできあがったワクチンを調べた結果、「品質や安全性に重大な影響を及ぼす可能性は低い」と判断した。

 21日の感染症部会では、この報告をもとに専門医らが検討したところ、化血研にやり直しを求めても、ワクチン製造には半年以上かかるため、このままでは来月にもワクチン不足が予測されるとして、出荷を認めることを決めた。

 一方、一部の委員からは、「これだけの問題がありながら、許されるのはおかしいので、何かペナルティーを科すべきだ」といった意見も出た。

 21日の決定を受けて、化血研は、今週中にワクチンの出荷を開始し、来週にも医療機関に届く予定だと話していて、ワクチン不足は避けられる見通し。