教科書見せ“謝礼”文科省が三省堂厳重注意
教科書を発行する出版社の「三省堂」が、検定中は外部に見せることが禁じられている教科書を、事前に公立中学校の校長らに見せたうえで、現金5万円を渡していたことがわかった。
三省堂は去年8月、青森や大阪など11府県の公立中学校の校長らを都内のホテルに招き、検定中は外部に見せることが禁じられている英語の教科書を見せて、感想や意見を聞いていた。
三省堂・北口克彦社長は「申請図書を開示するということが誤っておりますし、すべてが誤りだったと思っております」と話した。
また、参加した11人全員に現金5万円の謝礼と交通費、宿泊費などを渡したという。うち5人は、地元の教育委員会がどの教科書を使うかを決める「採択」にも関わっていた。さらに、過去にも計6回、別の教師らに同様の形で現金を渡していたという。
文部科学省は30日午後、三省堂の北口社長を呼び、厳重注意した。馳文科相は「けしからんことと思います。教科書作成のいずれの段階においても、公正性透明性が担保されることが不可欠であります」と話した。
三省堂は11月末に今回の問題の調査報告書をまとめるとしている。