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“医療事故死”調査開始までに平均1か月

2016年11月2日 21:12

 医療機関での予期せぬ死亡事故について原因などを調べて遺族に伝える「医療事故調査制度」は開始から1年がたったが、死亡から調査開始まで平均1か月かかっていることがわかった。

 医療事故調査制度とは、医療機関での「予期せぬ死亡や死産」について、医療機関自らが原因を調べて、再発防止にいかす目的で、去年10月1日に始まった。

 医療機関には、医療事故の調査開始を日本医療事故調査・支援センターに報告し、調査結果を、センターと遺族に報告することが義務づけられている。調査をするかどうかは医療機関が判断する仕組みで、遺族が求めても調査されない場合もある。

 センターによると、去年10月1日のスタートから今年9月30日までに調査された死亡例は388件で、制度を検討した厚生労働省の審議会が予測していた年間1300件から2000件の3割以下にとどまった。また、患者の死亡から調査開始をセンターに報告するまでの期間は、平均31.9日で、最長は237日だった。

 センターを運営する日本医療安全調査機構は、調査するかの判断に長くかかっているという認識を示した上で、「合併症があったり、複雑な治療を行っていて、調査すべきか判断に迷う事例がある。早く決めて、早く本格調査を行う方がよい」と話している。