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韓国アシアナ機着陸失敗 安全委が調査報告

2016年11月24日 11:10
韓国アシアナ機着陸失敗 安全委が調査報告

 去年4月、広島空港で韓国のアシアナ航空機が着陸失敗した事故について、日本の運輸安全委員会は調査報告書をまとめ、機長が航空機の高度などを確認できない状態で、着陸を試みたことなどを原因とした。

 この事故は去年4月、アシアナ航空のエアバスA320型機が、広島空港に着陸する際、通常より低い高度で降下し、着陸を誘導する施設に衝突したもの。機体が大破し、乗客乗員81人のうち、28人がけがをした。

 報告書によると、事故の約2分前に滑走路周辺に霧が出て、視界が悪化する中、機長が航空機の高度などを確認できない状態で、着陸をやり直さず降下を続けたことが原因と考えられるという。

 航空法では、高度などが確認できない場合、降下を続けてはならないとされ、機長の行為は規定に違反しているとした。また、副操縦士も事故直前に、「滑走路が見えない」と機長に話したものの、着陸やり直しを主張しなかったことも不適切とした。

 運輸安全委員会は、事故の背景に、アシアナ航空では規定を順守する教育や訓練が不十分だったことが考えられると厳しく指摘していて、韓国の国土交通部に対し、アシアナ航空に訓練の再検討などを指導するよう勧告した。