“あっせん”辞職の次官も関与、隠ぺいも
文部科学省職員による「天下りのあっせん」問題で、再就職等監視委員会は、人事課が長年、組織的にあっせんを続け、20日に辞職した前川喜平事務次官も、直接あっせんに関わったと認定した。
文科省による再就職のあっせんは、8年前から組織的に行われていたとされ、事務次官も関与した異例の事態となった。
再就職等監視委員会は、大学などを所管する文科省・高等教育局の吉田大輔前局長が2015年、退職した後に早稲田大学の教授として再就職した際、当時の人事課職員2人が、当時の人事課長に報告をした上で、前局長の履歴書を大学に提出し採用面談を取り付けるなどしたことが、国家公務員法違反の再就職のあっせんにあたると認定した。
また、この件に関して、去年、委員会から説明を求められた際、現在の人事課長や別の職員2人がウソの説明をして、違反行為を隠ぺいしていたことも調査でわかった。
他にも、人事課の職員が文科省の人事課にいた元職員を仲介役にして、利害関係のある法人に人事情報を提供していたなどとして、9件が違反行為と認定され、そのうち2件には前川事務次官も関わっていたという。
調査結果を受けて文科省は、吉田前局長と当時の事務次官の他、前川事務次官や当時の人事課長など7人に停職や減給などの懲戒処分を行い、松野文科相は局長らに再発防止の徹底を指示した。前川事務次官は20日午前に辞任し、後任には、旧科学技術庁出身の戸谷一夫審議官が就任した。
委員会からは他にも28件の疑わしい行為が指摘されていて、文科省は今後、調査室を設置して調べる方針。