定期券購入は17日までがお得?18日から鉄道各社が一斉に運賃値上げ
JR東日本など首都圏の鉄道会社8社が駅のバリアフリー化を進めるために今月18日から一斉に運賃を10円値上げします。通勤定期券は17日までに購入した場合、改定前の運賃となるため定期券の駆け込み購入が増加する見込みです。
■首都圏の鉄道会社8社が“バリアフリー料金”上乗せ
JR東日本や東京メトロ、小田急電鉄など首都圏の鉄道会社8社は今月18日から運賃の値上げを行います。
今回の値上げは、国土交通省がおととしにつくった「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したものです。現在、鉄道各社は転落防止のためのホームドアやエレベーターを設置するなど駅のバリアフリー化を進めていますが、設置や維持には多額な費用がかかります。一方で駅の利用者の利便性が向上することもあり、この制度では、鉄道の運賃に“バリアフリー料金”を上乗せすることで費用を利用者に負担してもらう形となっています。
この制度を導入し18日から運賃に10円の上乗せを行うのが以下の8社です。
JR東日本(首都圏16線区)、東京メトロ、西武鉄道、小田急電鉄、横浜高速鉄道、東武鉄道、相模鉄道、JR東海(東海道新幹線の首都圏の一部区間)
切符・ICカードにかかわらず上乗せを行います。
■通勤定期券はどうなる?オフピーク定期券も販売
JR東日本は、18日から、平日の朝のピーク時間を避けて乗車する通勤客の定期を約10パーセント値下げする「オフピーク定期券」を販売します。その一方で、通常の通勤定期券については約1.4パーセント値上げするということです。
バリアフリー料金は、オフピーク定期券と通常定期券のどちらにも上乗せされますが具体的にはどれほどの差がでるのでしょうか。
例①「渋谷~新橋」区間の通勤定期券6か月分を購入した場合
現行:2万8460円 通常定期券:3万270円 オフピーク定期券:2万7030円
例②「品川~横須賀」区間の通勤定期券6か月分を購入した場合
現行:11万6990円 通常定期券:12万40円 オフピーク定期券:10万6710円
なお、通学定期券は家計の負担を考慮し、現行の運賃を据え置くということです。
■2005年以来…業界最安の東急電鉄も値上げ
業界最安として知られた東急電鉄も18日から運賃を値上げします。値上げは2005年以来です。
東急電鉄は、ホームドアやホーム柵の設置がすべて終わっていることなどから「鉄道駅バリアフリー料金制度」を使わずに運賃改定を行います。初乗り運賃がICカードの場合、現状、126円のところ18日以降は140円となります。
新型コロナによるテレワークの定着により、利用者が減少する一方で、インフラの維持や更新などが必要だとし運賃の値上げに踏み切ったということです。