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【ナゼ】春闘で満額回答連発…トヨタ・パナソニック・シャープ 各社の狙い

2023年3月15日 17:32
【ナゼ】春闘で満額回答連発…トヨタ・パナソニック・シャープ 各社の狙い

春闘集中回答日で明らかになった企業の春季労使交渉の結果。三菱重工業やIHIは基本給を底上げするベア相当額について、組合の要求額通りとする「満額回答」だったが、満額回答は実に49年ぶりだという。

日本は、今でこそ値上げが相次いでいるが、長い間「物価も賃金も上がらない国」だった。

自動車ではトヨタ、ホンダ、三菱自動車が集中回答日を待たず、「満額回答」を打ち出した。前のめりの公表には、記録的な物価高のなか、いち早く従業員の不安を取り除き、傘下の企業にも賃上げを波及させたいなどの狙いもある。

電機大手8社のうち電機連合に加盟する7社では、長く3000円の要求(2021年はコロナ禍で2000円に引き下げ)が続いてきたが、ことしは2倍以上となる7000円を要求。全社が満額で応えた。

回答にはこのような理由も添えられていた。

*三菱電機「近年にない物価高騰に対する社員の生活安定のため」「当社としては、初の満額回答」

*パナソニック「人材が最大の経営資産であり(中略)意欲高く活躍できる環境を整えることが事業競争力強化につながる」

*シャープ 「人材の獲得・確保や、物価上昇の影響度等を勘案し、若手層に昇給原資を厚く配分」「20代から30代前半の若手の月給を10%前後引き上げ」


■各社の回答は以下の通り。
「賃金水準改善額」(いずれも満額回答)
*自動車はベアと定昇を合わせた総額

三菱重工業 1万4000円
IHI 1万4000円

トヨタ 非公表
ホンダ 1万9000円
日産 1万2000円
三菱自動車 1万3000円
マツダ 1万3000円
スバル 1万200円
スズキ 1万2200円

日立製作所 7000円
NEC 7000円
東芝 7000円
富士通 7000円
パナソニック 7000円
三菱電機 7000円
シャープ 7000円