「Snow Man」チケットなど“高額転売”対策で… STARTO社が大手転売サイトに情報開示請求
「STARTO ENTERTAINMENT」は、所属している「Snow Man」のチケットなどが高額で転売されていることへの対策として、大手転売サイトに出品者の情報開示請求をしたと明らかにしました。
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先月、札幌で行われた9人組アイドルグループ「Snow Man」のライブには、2日間でのべ10万人以上とみられるファンが集結しましたが、その人気から、チケット争奪戦は激しかったといいます。
こうした中、大手転売サイトなどでのチケットの高額転売が問題となっていました。
Snow Manファン
「1名義で10公演とか申し込んで、それでも1公演当たるのが奇跡かな」
──転売サイトで高額販売見た?
Snow Manファン
「あります。十何万とか何十万とかも。本当に許せない」
SixTONESのファン
「えぐいですよ (転売で)何十万とか。行きたい人が行けずに『くそー』ってなる」
ファンも憤りを隠せない、こうした高額転売への対策を、「Snow Man」が所属するSTARTO ENTERTAINMENTは進めています。
そもそもSTARTO社のタレントのコンサートでは、ファンクラブなどから購入した正規のチケット以外は認めておらず、「転売サイト」から購入したチケットは「無効」、会場に入れないとしています。
それでも通常9700円のチケットが、転売サイトでは20万円で売られていたケースもあり、STARTO社は1224件の出品者について、大手転売サイトに対して情報開示を請求したということです。
代理人弁護士は、取引価格の一定の割合が手数料として転売サイト側に入るため、不正な転売が野放しにされていると指摘します。
実際に、転売チケットを買おうとするファンはいるのでしょうか?
複数のファンによると、STARTO社のチケットは主に「紙」と「電子」の2種類。紙の場合は、会場に入る前から座席が決まっていることが多く、いい席のチケットが「転売サイト」などで出品されるといいます。そこで取引成立となると、会場周辺で落ち合いチケットを受け渡すことが多いということです。
実際、7日に行われた「A.B.C-Z」のミュージカル会場周辺でも、紙のチケットと現金を交換するような人たちが多く見られました。
一方、電子の場合は、あらかじめ座席がわからず、当日会場の入り口で二次元コードなどをスキャンすると、座席が書かれたチケットが発券されます。そのため、複数のファンによると、いい席のチケットが“会場の中で取引”されることもあるといいます。
ネットで交渉相手を募り、落ち合って現金とチケットを受け渡す光景が見られるといいます。中には、運営側にバレないよう、トイレの中などでこそこそやりとりする人も。
高額な転売チケットが「無効」とされ、入場できなかった人がスタッフを怒鳴りつけるなど、現場の負担になっているというのです。
こうしたことなどから情報開示請求に踏み切ったSTARTO ENTERTAINMENTは「ライブに行きたいファンの心理に付け込み、高額な値段で不正なチケットが流通している状況を、解消しなければならないと考えております」とコメント。
ところが転売サイト側から、任意での情報開示を拒否されたため、今月にも東京地裁に情報開示命令を出すよう申し立てをすることにしています。
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一方で、ファンからはこんな声も。
──転売ってどうですか? なくなりそう?
Snow Manファン
「なくならないね。リセールがあれば絶対に違うと思う」
Snow Manファン
「今日行けなくなっちゃった人たちが、公式に譲れる機会があればいいなって」
体調不良などでやむを得ず公演に行けなくなった場合に売ることができる“公式リセール”を求める声が。この点について、転売問題に詳しい弁護士も…
チケット転売問題に詳しい 骨董通り法律事務所 福井 健策弁護士
「主催者はその気持ちに応えて、ちゃんと高額転売対策をやり、定価での公式転売ルートを作り上げる」
ただ、「公式リセール」がないからといって、定価を超える値段で繰り返し転売すると「チケット不正転売禁止法」違反で、1年以下の懲役などが科される可能性もあります。
──ファンにできることは?
骨董通り法律事務所 福井 健策弁護士
「(売買してしまうと)高額転売が当たり前の世界を、この先も受け入れることになる。誰のためにもならない。買わないことでアーティストを支える。ファンができる、未来に向けての最大の協力だと思う」
(12月9日放送『news zero』より)