×

  • 日テレNEWS NNN
  • 社会
  • 【解説】ゼレンスキー大統領サミット出席の狙いは? 新興・発展途上国「グローバルサウス」へのアプローチも目的か

【解説】ゼレンスキー大統領サミット出席の狙いは? 新興・発展途上国「グローバルサウス」へのアプローチも目的か

2023年5月20日 5:31

G7(主要7か国首脳会議)広島サミットに出席するため、ゼレンスキー大統領が20日に来日します。出席の目的は、G7各国の首脳に直接、語りかけるだけでなく、サミットに招待されているインドなどの「グローバルサウス」と言われる新興・発展途上国へアプローチし、味方につけるためともみられています。

■中国よりもG7や「グローバルサウス」か…ゼレンスキー大統領の狙いは

有働由美子キャスター
「ゼレンスキー大統領、本当に来るんだと驚きもありましたけれども、心配なのは安全面ですよね、大丈夫なのか…」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうですね、実は、日本政府は水面下ではずっと来日の可能性を模索していました。でも、戦争をしている国の大統領ですから、その身の安全を本当に守れるのか。ある日本政府関係者は、『日本に来るというのは、日本で大統領の身に何かあってもすぐ帰れる場所ではないから、ヨーロッパに行くのとは訳が違う』と話すなど、慎重に対応しました。環境が整ったとして来日が決まったようです」

有働キャスター
「実際に対面にかわったことで、具体的にはどんな点が違ってくるんでしょうか?」

小栗解説委員
「1つには、自由とか法の支配の重要性、これを身をもって示せる点です。実は中国政府の外交団が16日からウクライナを訪問して、ゼレンスキー大統領と会ったと中国外務省は発表、停戦仲介に積極的な姿勢をアピールしていました。でも、一方のゼレンスキー大統領側は、その会談について一切触れていないんです。その上、日本で開かれるサミットに直接行くとなると、有働さんどう感じますか?」

有働キャスター
「それはもう、中国より日本、G7を重視していると受け取りますけれども」

小栗解説委員
「そうですよね、つまり、力で現状を変更しようとする中国ではなくて、ウクライナは『自由』や『法の支配』、これを大切に考えているということを明確に示せますし、G7各国にとっても、結果的に今回のサミットのもう1つのテーマである“中国への牽(けん)制”にもなったというわけです」

「そしてもう1つは、いわゆる『グローバルサウス』と言われる、新興・発展途上国を味方にするべく、直接アプローチできることです。今回の広島サミットには、この『グローバルサウス』から、インドやブラジル、ベトナムといった国の首脳も招待されています。これらの国というのは、ロシアへの経済制裁に参加していなかったりするので、ゼレンスキー大統領としてはなんとか味方につけたい、そのために直接、語りかけられるのは大きな魅力だったとみられます」

■ギリギリまで調整…「原爆資料館」訪問 バイデン大統領がねぎらうように…

有働キャスター
「そして、首脳らが原爆資料館を訪れましたが、岸田首相が最もこだわった点でしたよね」

小栗解説委員
「首相は、資料館をどういうルートでどう首脳に案内するかといった、通常なら事務方が決めることまで細部にわたりこだわっていたといいます。ただ、原爆を投下したアメリカだけではなく、今、核兵器を保有するイギリスやフランスの首脳にとっては、たとえば資料館で涙しようものなら、自分たちの政策を否定することにもつながりかねないわけで、ギリギリまでその形式は調整がつかなかったといいます。資料館を出てきたバイデン大統領ですが、岸田首相をねぎらうように肩に手を添えていました。岸田首相のこだわりが首脳らに伝わったのかもしれませんね」

(『news zero』より)