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“給食を無理やり完食”相談が増加…何が?

2018年11月23日 18:40
“給食を無理やり完食”相談が増加…何が?

「教師に無理やり給食を完食させられて体調を崩した」といった相談が、今、増えているという。中には給食がきっかけで、不登校に発展するなどの深刻な事例も。なぜ、こうした事態が起きているのだろうか。日本テレビ「news every.」の鈴江奈々キャスターが取材した。

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「学校の方針で完食を強いられています」「給食が嫌だから学校に行きたくないと涙する事がありました」…これらは、ある団体に届いた給食にまつわる相談メール。

食事に関する悩みを受け付けているこの団体。こうした相談が今、2日に1本のペースで寄せられているという。

日本会食恐怖症克服支援協会・山口健太代表「(給食を)食べられない子供がいて、それを居残りさせられてしまった。『給食があるから学校イヤだ』とか、そういった相談ですかね」

中には不登校や体調不良になったというケースも。その多くが教師に給食を無理やり完食させられた事がきっかけだという。

これについて、ネットではこんな声も――

「給食ハラスメントだな」「でも食べ物を粗末にするのはよくない」「個人差があるのでは?」

今、小学校の給食の現場で、何が起きているのだろうか?

給食の完食問題など、食についての相談を受け付けている山口健太さん。自身も野球部に所属していた高校時代、食事に恐怖を抱いた経験がある。

山口さん「ノルマみたいなのがあって、朝は2合食べて、お米を。お昼も2合食べて、夜も3合食べる。いただきますの時に実際に吐いてしまった事があって」

現在は症状を克服し、同じ悩みを抱える人たちのため、相談機関を立ち上げた。

山口さん「強制的に食べさせるとか無理やり食べさせるのは安直。(食べる)意欲がわくような楽しい給食時間とか環境を整えてあげてほしいと思う」

給食の完食をめぐっては、今年、静岡県で、牛乳を無理やり飲まされた児童が、心的外傷後ストレス障害(=PTSD)を発症したとして、裁判に発展したケースもある。

なぜ、完食を強要する教師がいるのだろうか。小学校の元教師に話を聞いた。

去年まで公立小中学校教員を務めた小阪成洋さん「完食させていないと力量ないと見なされる事はなきにしもあらず。先輩の先生が食缶(容器)を見に来て『こんなに残ってるなら、あんたは指導力不足だ』と言ってプレッシャーをかけてくるという事がありました」

残飯を減らす観点などから“完食が美化”され、“完食させないと指導力がない”と見なされる事も。

「無理をせずに給食の完食」を目指している学校も。東京・豊島区の小学校の2年生のクラス。この日の献立は…キムチチャーハンやギョーザ。給食は男の子も女の子も原則、同じ量が配られ、完食を目指す。しかしそこには、ある決め事が。

「減らす人どうぞ!」―先生のかけ声で次々と立ち上がる児童。実は、自分で食べる量を調節できる。先生には、こんな思いが――

担任・中畑美峰子先生「(給食は)栄養士の先生がご苦労されて作っているので、基本は完食を望んでいるんですけど、それができない部分は減らした分は全部食べてねと」

「作った人への思い」や「栄養バランス」を考え、自分なりの完食を指導している。

鈴江奈々キャスター「(Q:このチャーハン減らしてたけど、なんで?)普通にごはんが好きじゃないから。(Q:少し減らすと食べられそう?)うん」

また、教室には、栄養士も訪れ、食事のフォローをする。

栄養士・吉見麻里子さん「キムチチャーハン辛くなかった?」

コミュニケーションをとり、より完食してもらえる献立作りを追求している。

児童「先生、ギョーザありますか?」

栄養士・吉見さん「ギョーザはもう売り切れです。今日はみんなよく食べるから」

鈴江キャスター「(Q:今日の給食おいしかった人?)はーい!」

栄養士・吉見さん「子供たちの主体性・自主性を尊重しながら給食を食べるっていう方向に工夫しています」

教師が強要せず、子供たち自ら給食を完食してくれる事を目指していた。

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