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海外での心臓移植…円安で“5億円超に” 寄付募る家族「本当に申し訳ないと思いつつ…」

2022年11月16日 0:58
海外での心臓移植…円安で“5億円超に” 寄付募る家族「本当に申し訳ないと思いつつ…」

日本では今、多くの子どもが心臓移植を待っています。ドナーが多い海外での移植を決める家族も多いです。ただでさえ高額な費用が必要となる中、追い打ちをかけているのが円安などの影響です。こうした中、海外での移植を目指す家族を取材しました。

■「家に帰りたい」ダンスが得意な娘

15日、「news zero」が話を聞いたのは、現在、入院中の小学5年生で10歳の五十嵐好乃(この)さんです。病室からビデオ電話で、話してくれました。

――今、体調はどうですか?

五十嵐好乃さん(10)
「元気です」

――今、したいことを教えてくれますか?

五十嵐好乃さん(10)
「ん~……学校に行きたいのと、家に帰りたいのと、大好きな納豆ご飯が食べたい」

ダンスが得意だった好乃さんは、2年前、突如、風邪のような症状が治りにくくなり、去年、心臓から全身にうまく血液を送ることができない「拡張型心筋症」と診断されました。

五十嵐好乃さんの父・好秀さん(46)
「えっ? うちの子が心不全? びっくりしたのが本音ですかね」

補助人工心臓につながれた好乃さんの願いは「家に帰りたい」。その願いをかなえるには移植しかないと、家族が決断したのは海外での手術です。

五十嵐好乃さんの父・好秀さん(46)
「“より確率の高い海外に希望を持ちたい”という答えを、家族3人で話をして出した」

国内で移植手術を受けることも可能ですが、補助人工心臓をもう1つ増やす手術を受けなければならない可能性も出てきたため、待機の期間が日本より短い海外での移植を決めました。

しかし、ただでさえ保険が適用されず高額な費用が必要になります。そこに追い打ちをかけたのが「円安」です。

五十嵐好乃さんの父・好秀さん(46)
「為替レートの影響もあり、自分で電卓をはじいた時に、ためいきが出るような金額で…」

受け入れ先のアメリカの病院も決まり、見積もった費用は、医療用ジェット機のチャーターなどあわせて約5億4000万円。円安の影響で、去年と比べて1.5倍に膨らんだといいます。

――テレビを見ている人に伝えたいことはありますか?

五十嵐好乃さん(10)
「頑張っているので、助けてほしいです」

そして自ら書いた手紙を、涙ながらに読み上げてくれました。

五十嵐好乃さん(10)
「家に帰りたいです。ママが作ったごはんが食べたいです。パパのごはんをママと一緒に作りたいです」

父・好秀さんは「前を向いている娘。その希望もなんとか届けてあげたい。皆さんには本当に申し訳ないと思いつつも、どうか、皆さんにご支援いただいて、(好乃さんに)家に帰ってこられる日を与えてあげたいなと思っています」と語りました。

半年以内の目標額達成に向けて、寄付を呼びかけています。

【このちゃんを救う会 電話044-223-6412】

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■補助人工心臓で命をつなぐ1歳の娘