平成最後の“おせち”救う?ズワイガニ豊漁
今年も残すところあと1か月あまり。この時期になると気になるのが“おせち”だが、高値が続いている食材もあるようだ。そんな中、冬の味覚“ズワイガニ”が「豊漁」だという知らせが届いている。
◆今年の“おせち”のトレンドは?
今年も残すところあと1か月あまり。都内の百貨店『日本橋 高島屋』では、おせちの予約販売がいよいよ佳境に。今年のトレンドを聞いてみると──
高島屋MD本部・おせちバイヤー 山下聡さん「なかなか(普段)行けないお店のおせち料理を家で楽しむ方が増えております」
中には料亭が作るおよそ17万円という超高級おせちも。高価格なものと、少人数用の低価格のものとで二極化が進む一方、3世帯で楽しめるキャラクターものなど、年々、おせちのバリエーションが広がっているという。
◆おせちの食材が高値に…
手作りにこだわるという家庭にとって気になるのが、おせちに使われる食材の価格。例えばイクラは、既に平年より高めだという。東京・練馬区の『魚屋 旬』では…
『魚屋 旬』渡部博店長「こちらイクラですね。平年と比べますと、若干高いくらいですね」
秋ザケが不漁だったため、年末に向け需要が増え、さらに高値となるおそれが……。このほか、おせちに欠かせない食材に高値が続いている。
東京都の市場での卸売価格を見てみると、数の子はおよそ3割、タコは2割、エビは1割、そして田作りは6割も、去年に比べて高値になっている。さらに、年末に向け需要が増えるという“タラバガニ”。国内で消費されるほとんどが輸入品だが、高止まりの状態が続き、ものによっては去年より1割ほど高く販売しているという。
◆平成最後の年末“食卓の救世主”に、あのカニが!
そんな中、漁港にあふれるほどいたあるカニが、平成最後の年末、“食卓の救世主”として期待されている。
日本海で漁が解禁されたばかりの“ズワイガニ”だ。この地域の名産で、“松葉ガニ”や“香住ガニ”が有名。26日、早朝に港を訪ねると、いきが良く大きさも立派なズワイガニがカゴいっぱいに。水揚げされるそばから次々と競りに出されていた。
漁師に話を聞くと──
カニ漁師 竜宝丸・黒田大介船長「現状、大漁です。11月に関しては、漁獲量2倍はとっていると思います」
カニ漁師「去年よりええんとちゃいますか。やっぱり凪(なぎ)はいいがな」
漁が解禁された後、穏やかな天候に恵まれ、多くの漁船が操業できているため、漁獲量が去年より多めに推移しているという。そのため、漁解禁直後の高値から一転、漁港での取引価格は安値の傾向に。東京の市場でも去年に比べ2割ほども安く取引されているという。
◆豊漁の“ズワイガニ”の一方で
しかし、その一方で、日本海を代表する味覚“ブリ”については──
日本海フーズかに市場 山田直弘店長「(ブリは)ここ2、3日は入ってないですね」
正月の食卓でもおなじみのブリだが、海水温が高いため、兵庫県にある香住漁港の周辺では近づく時期が遅めに。26日も水揚げがなく、必要な量を確保するのが難しい状況が続いているという。
今年も残すところ1か月あまり。平成最後の年末、暖かい冬の影響は食卓にどこまで及ぶのか、心配される。