「外国籍の子ども増加」日本は平等すぎる?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「外国籍の子ども増加」。クリエーティブ・ディレクターのキリーロバ・ナージャさんに話を聞いた。
文科省の調査によると、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は2016年5月時点で3万4335人、前回2014年の調査よりも17%増加している。
自然に覚えた母語の割合でみると、ポルトガル語を母語とする人が25.6%と最も多く、次いで中国語、フィリピノ語、スペイン語となっている。
――この話題についてナージャさんの意見をフリップに書いていただきました。
「日本は平等すぎる」
私も母語が日本語ではないのですが、昔、日本の小学校に通っていたとき、色々日本語の勉強を教えてもらったことがあります。ほかの国では色々な覚え方があって、アメリカではESLというものがあり、子どもたちの興味のあるところから入っていって、例えばスポーツが好きならスポーツから、小説が好きなら小説から教えるというやり方です。
フランスは外国人クラスがあるので、そこでみんなと一緒にフランス語を勉強して、できるようになったら普通のクラスに戻るというシステムです。
カナダでしたら、同級生がボランティアで教えてくれるケースがありました。
日本だと先生は、外国人の子どもに対して良い意味でも悪い意味でもすごく平等に扱ってくれるんです。私のときも教室にはいたのですが、みんなと同じようにして欲しいというのがあって、困っていてもあまり助けてくれなかったんです。
良い意味でも悪い意味でも平等すぎるんです。でもそこで頑張るとそこにしかないチャンスもいっぱい巡ってきて、例えば私が中学校のときテストで歴史はわかるけど日本語は書けないといったときに先生が「じゃあ、ロシア語で解答を書いてもいいよ」といってくれたんですよ。これは日本の東京の中学校でのことなのですが。
そうすると歴史はわかるので、そのときは「シーザー」とかそういう答えをたくさん書きました。そうしたら80点くらいとれたんです。いままでは日本語でしか解答を書けなかったので0点でしたが、80点をとれるようになると少しやる気が出てきました。そういう日本の教え方が見つかるといいなと思っています。
――外国籍の子どもが増えてきたということは、それに対応する教育の仕方をしていかないといけないけれども、彼らは勉強をしていないわけではなく、日本語がわからないだけだということもありますよね。
日本語がわからないというのは欠点ではなく、彼らの個性なのでそれをうまく生かして引き出して、ダメというのではなく、もっとポジティブに変えていく日本らしいやり方がきっとあるはずです。
――これから日本はどう変わっていったらいいと思いますか。
外国の方が増えるので色々なやり方、多様性などを、日本語を覚えるところに汎用(はんよう)されていけばいいなと思います。色々な国のやり方を参考にして、そこから新たなやり方を生みだしていければいいなと思います。
【the SOCIAL opinionsより】