辺野古土砂投入 現地に広がる怒り・悲しみ
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古で、政府は14日、海の埋め立てを始めた。那覇市から現地の様子を佐藤記者が伝える。
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政府としては、早期の土砂投入で、多くが埋め立てに反対する県民世論のあきらめを狙ったものとみられるが、私が何人か話を聞いた限りでは、「悲しさ」や「無力感」を口にする人がいる一方、怒りや憤りの言葉が多い印象を受けた。
やはり、沖縄県の玉城知事が「対話による解決」を求めてきたにもかかわらず、いわば「問答無用」で埋め立てへ突き進んだ政府の姿勢が、県民の間に反発と不信感を広げているのだと思う。
しかし、今後も沖縄県の側には、確実に工事を止める手だてがあるわけではなく、手詰まり感は否めない。
一方、来年2月には、埋め立ての賛否を問う県民投票があり、そこで埋め立て反対の民意が示された場合、知事があらためて埋め立て承認を撤回することも考えられる。そうなると、国と沖縄県との間で、法的な争いがさらに続くため、中長期的には、工事が順調に進むかは依然不透明となっている。