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仕事も“引退と復帰”を繰り返せる社会へ

2019年2月21日 15:27
仕事も“引退と復帰”を繰り返せる社会へ

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「何歳まで仕事したい?」。「D-SHiPS32」代表・上原大祐氏に聞いた。

内閣府が行った世論調査よると、「何歳まで仕事をしたいか」という質問に対し、「66歳以上」が37.6%だった。その理由を聞いたところ、「経済的にゆとりある生活を送りたいから」が28.9%、「働き続けないと生活費が足りないと思うから」が24.9%だった。

ネット上では「人生100年時代。カネないからずっと働く」「働く必要が無ければ働きたくないけど…」「とっとと稼いで、とっととリタイヤし、遊ぶ」といった意見が聞かれた。


――フリップをお願いします。

『引退と復帰』と書きました。私はスポーツをずっとやっていましたが、2013年に1回引退して、2017年に復帰して、去年の平昌に行ってます。高橋大輔選手もそうでしたが、彼はフィギュアというのがひとつの仕事でもあると考えると、引退と復帰をしているわけで、自分のやりたいことができた時に、また復帰したり、今仕事じゃなくて休みたいなと思ったら、引退したりみたいな――そういう感じで、引退と復帰を繰り返せるような日本の新しい日本の仕組みができるといいなと思っています。


――日本は定年退職という区切りにこだわりすぎているということですか。

そうですね、私は60歳まで働きたくないし(笑)。45歳くらいで1度引退して、逆にまた60歳から働きたいなみたいな。元気なうちにできることをやりたいじゃないですか。ヨーロッパ旅行とかはやはり体力がないとできないので、45歳からヨーロッパまわろうかな、その後またそろそろ仕事しようかなとかいう感じで復帰するとか、自分で選択できるというのはすごく大切だと思います。

今はAIが進んでいて、仕事がなくなるという話もありますし、仕事に就くというよりは、仕事をつくるという時代になってくるような時代になると思うので、引退したら、復帰するときは自分で仕事をつくって復帰するというのもアリじゃないかと思います。


――しかし、話を聞いていくと、経済的な不安、例えば年金などに不安を持っている人は若者に多いらしいんですよ。若者たちはこのような不安をかかえていて、これからどうしたらいいのでしょう。

やはり自分に自信がないんでしょうね。もっといろんな経験をして、自分に自信をつけることで、いろんなことが未来にできるなという自信をつけていくことが大切だし、あと高齢者の方からいろんなことを教えてもらうことで、それを未来に生かしていくみたいなそういう経験や自信が必要かなと思います。


――自信がつけば自分で仕事をつくっていく、引退と復帰を繰り返すことも可能になってきそうですね。

そうですね。日本はまだまだイノベーターが少ないので、アメリカのように起業する人がどんどん増えてくるというのも引退と復帰でできてくるんじゃないかと思います。


■上原大祐さんプロフィル
「D-SHiPS32(ディーシップスミニ)」代表。生まれながら二分脊椎症の障害があり、幼少期より車いす生活を送る。19歳で始めたパラアイスホッケーでトリノパラリンピックに出場。更にバンクーバーパラリンピックでは銀メダル獲得に貢献した。

海外で障害のある子どもが気軽にスポーツを楽しむ様子を見て、日本のバリアフリーの遅れを痛感。障害のある子どもが、スポーツや夢に挑戦できる環境づくりを始める。石川県中能登町の「障害攻略課」プロジェクトを立ち上げるなど、障害者の理解促進を図っている。


【the SOCIAL opinionsより】