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特別支援学校を特別おもしろい学校に

2019年4月25日 16:16
特別支援学校を特別おもしろい学校に

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「特別支援学校 スポーツが普及するには」。世界ゆるスポーツ協会代表・澤田智洋氏に聞いた。

全国特別支援学校長会が行った調査によると、障害のある児童・生徒が通う特別支援学校で、スポーツの部活動・クラブ活動を行っているのは約6割にとどまった。

また、スポーツ活動を充実させるために必要なものは「用具や器具」「教職員の専門知識・ノウハウ」「校内の施設やスペースの確保・拡充」などが多くあげられている。


――この話題について澤田さんにフリップを書いていただきました。

「特別支援学校を特別おもしろい学校に」です。

いまのを見て思ったのは、特別支援学校で別に部活動が普及しなくてもよいのではないかと思っています。いわゆる普通校、健常者が通う学校と比較して、生徒はもっと部活動を行うべきだとかというのは常識にとらわれている気がします。

部活動をなぜやるかという本質論とか、部活動のよしあしみたいなことを考えていくと部活動に限らなくてもいいのかなと思います。私がより重要だと思うのが、時間の使い方とか、放課後何をやるのかとかを、それ自体を作ってしまえばいいんじゃないかと。

例えば去年、盲学校で特別出前授業のようなものをやらせていただいたのですが、そのとき、ヒューマンビートボックスと三味線とラップの日本代表たちを連れて行ったんです。

そうすると目が不自由な子どもたちでも、めちゃくちゃ理解できるし習得が早い子たちもいます。そうしたらヒューマンビートボックスの教室ってできないですみたいな意見がたくさんきて、それをやろうとしているんですね。

それは部活動でも何でもないんですが、子どもたちの特性に合わせて子どもたちが能動的にやりたいことを突き詰めていったらそこに行き着いたということです。だからあんまり普通校とか、常識とかを気にしないでいいんじゃないかなと思います。


――そのなかで保護者たちの負担とか、教職員の負担とかはなかったのでしょうか。

そのときに大切なのが外部連携だと思っていて、私は外部の人間として入っていったのですが、それで実は、このフリップに書いたことをプロジェクト化していて、関東の特別支援学校の7校を束ねて外部の人間もどんどん入れて特別支援学校に面白い授業を入れていこうとしています。

ですから外部にどんどん頼っていただいて、どんどん自由に新しい教育カルチャーを特別支援学校から作れることができたらいいなと思います。


――子どもたちの反応はいかがでしたか。

もう最高!?(笑)。私がやらせていただいた音楽の時間というのは、過去15年間のカリキュラムでは毎年、ピアニストとバイオニリストの演奏だったんですね。それはそれでいいんですが、子どもによっては別の楽器の方がいいかもしれないわけじゃないですか。それでヒューマンビートボックスで開花した子どもがいるんです。

特別支援学校の子どもたちが多様なチャンスにふれて、新しい教育カルチャーが生まれて普通校よりも面白くなっていく。そんなムーブメントを作ってしまえばいいのではないかと思います。


――普通校がまねしたいというくらいになるといいですね。

いわゆる一般の子どもが特別支援学校に通いたいというくらいの状況まで持っていければいいなと思います。

【the SOCIAL opinionsより】