“おみやげの変化”いまは食べ物が主流
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「お土産を選ぶポイントは?」。“ファンシー絵みやげ”研究家の山下メロ氏に話を聞いた。
カルチュア・コンビニエンス・クラブが「お土産に関するアンケート調査」を実施した。「自分以外のお土産を選ぶときに重視するポイント」を聞いたところ…
1位 旅行先の名産や名物である
2位 味がおいしい(おいしそう)
3位 旅行先の雰囲気がある
となった。
お土産を選ぶことについて、ネット上では…
「だいたい定番で済ませちゃう」
「要冷蔵?個包装?とか考えて決められない」
「お土産選びも旅行の醍醐味(だいごみ)」
などのような意見があった。
――山下さんのご意見をうかがいます。フリップをお願いします。
「体験の共有」です。
――フリップの下に、日本語ローマ字で懐かしい。これは、どういうことですか。
日本語ローマ字は「ファンシー絵みやげ」の特徴ですけど。いま「体験の共有」が多くなっていると思うのは、スマートフォンと常時接続の普及で、どこかに行ったかという報告はSNS上で簡単に一瞬でできちゃうわけです。現地に行って、写真を撮って、アップすれば終わるので。
ただ当時は、キーホルダーやペナントとかもそうなんですけど、どこそこに行きましたということを、証拠としてモノを持って帰って、それでアピールする必要があったわけです。
昔は、それがペナントだったんですが、ペナントは部屋に来てもらわないといけません。でもキーホルダーだったらランドセルに付けてアピールできますので、例えば小学生とかだと夏休み明けに自分がどこに連れていってもらったという自慢ができたわけです。ですので、キーホルダーみたいなものが主流だったわけです。
しかし近年は、先ほどいった通りスマホの普及などで、行ってきたというアピールは簡単にできるので、今度は何かというと「体験の共有」ですね。現地でしか食べられないものとか、もちろん、実際作っている場所が別の場合もありますが、一応、そこでしか買えない食べ物を持ち帰り、それをみんなで分け合うという形で、今の調査にもあらわれている通り、食品が今メインになっているんですね。
――「ファンシー絵みやげ」から食べ物に変わってきた、時代の流れですよね。でも当時、なんだかよくわからないお土産がありませんでしたか?「ゴルフボールがついた肩たたき」をお土産に買った思い出がありまして(笑)。
ゴルフボールがついた肩たたきなんかは、おばあちゃんに買って帰るんですね。おばあちゃんが1万円とか、お小遣いをたくさんくれるので、それに対する返礼品として、お母さんに「おばあちゃんに高いのを買って帰りなさいよ」といわれて、特別におばあちゃんにだけ買って帰るんですね。
こういう「まな板」や「鍋つかみ」みたいなものも(実際にファンシー絵みやげの「まな板」「鍋つかみ」のお土産見せる)、これ結局なぜあるかというと子どもが使うわけじゃなく、お母さんに買って帰るものとして、いわゆる家族をターゲットにしたものがあるということなんです。
――お土産の変化というのをすごく感じますね。でも、こういった「ファンシー絵みやげ」がなくなってきているから、まさに守らなきゃいけないということなんですね。
そうですね。
【the SOCIAL opinionsより】