鉄道遺構「高輪築堤」保存のため一部の石垣を避け新路線整備へ 羽田空港アクセス線
東京都心と羽田空港を直通で結ぶ「羽田空港アクセス線」の工事予定地で見つかった、明治時代に造られた鉄道遺構「高輪築堤(たかなわちくてい)」について、15日、JR東日本は、築堤を保存するため、一部の石垣を避けて新路線の整備を進める方針を発表しました。ただ開業予定時期に変更はないとしています。
「羽田空港アクセス線」は東京駅と羽田空港を約18分で結ぶ新路線で、東京駅方面から直通するルートと羽田空港の地下に設けられる新駅の整備が進められています。
新路線の計画を進める中、JR田町駅から東京駅寄りにある工事予定地で、日本で最初に開業した鉄道遺構「高輪築堤」の石垣の一部が去年見つかり、JR東日本が工事への影響などを調べていました。
15日、JR東日本が新たに発表した計画によりますと、JR田町駅付近で東海道線から分岐して新設される予定の羽田空港アクセス線の下り勾配の開始地点を、当初の予定より品川方面に約100メートル変更するとしています。これによって、去年見つかった高輪築堤の一部を現状のまま保存できるということです。
また、支障をきたす石垣の部分については、専門家などと連携して記録保存していくとしています。
JR東日本によりますと、計画の変更による開業時期への影響はなく、これまでと同様、2031年度の開業を目指し、整備を進めていくということです。