「完全責任能力が認められる」青葉被告に死刑判決 36人死亡・京アニ放火殺人事件
36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件の裁判で、青葉真司被告に死刑が言い渡されました。最大の争点になっていた責任能力について、京都地裁は「完全責任能力が認められる」と判断しました。
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25日朝、京都地裁では…
記者
「裁判が始まるまでおよそ1時間以上がありますが、傍聴券を求めて多くの人が続々と訪れています」
36人の尊い命が突然奪われた京都アニメーション放火殺人事件から4年半。青葉真司被告は、2023年9月から始まった裁判で「京アニに作品を盗作された」などと犯行の動機を語っていました。
そして迎えた判決言い渡しの日。
車椅子で法廷に現れた青葉被告。弁護人に軽く会釈をした後、表情をかえることなく裁判に臨みました。
裁判長
「言っておきたいことはありますか」
青葉被告
「ありません」
開始早々、裁判は証拠調べに漏れがあり、30分の休廷を挟むことになりました。
記者(25日午前11時すぎ)
「先ほど裁判は再開されました。裁判長は被告の男に『判決は最後につけます』と話しまして、厳しい刑が言い渡される可能性があります」
「主文後回し」と告げられた瞬間、青葉被告は微動だにせずまっすぐ前を見つめていました。
裁判長は判決の理由について、青葉被告が「多くの人が働く場所を狙った計画的な犯行である」ことを指摘した上で…
裁判長
「いいことと悪いことを区別する能力も、犯行を思いとどまる能力も著しく低下しているとは認められず、心神喪失でもこう弱でもなく、完全責任能力が認められる」
「炎や熱風の中で亡くなった被害者らの悲しみや苦痛は筆舌に尽くし難い。将来に希望をもって京アニで働いていた全く落ち度のない人たちだ。死刑を回避する事情はない」
判決は「死刑」でした。京都地裁は、最大の争点になっていた刑事責任能力について、認められると判断したのです。
判決後、裁判長の語りかけに大きくうなずいた青葉被告。遺族らのすすり泣く声が響く中、車椅子を押され、軽くうつむいた状態で退廷しました。
裁判を終え、遺族が匿名を条件に取材に応じました。
遺族
「娘が亡くなった悲しみは、いまもなお消えない。死刑が償いに値するのかは疑問だし、自身としては死んでもらっても償ってもらった気にはならない」
また、京都アニメーションの社長は…
京都アニメーション 八田英明社長
「判決を経ても、無念さはいささかも変わりません。彼ら彼女らが精魂込めた作品を大切に、そして今後も作品を作り続けていくことが、彼ら彼女らの志を繋いでいくものと念願し、日々努力してまいりました。これからも可能な限り、作品を作り続けていきたいと考えます」