子どもに“第二のふるさと”を 都会を離れ…親子で「地方留学」 “非日常”の体験&友だちも
青い海と空が広がる、福岡県糸島市。ここ、「またいちの塩 工房とったん」で子どもたちがやっていたのは、自分たちでまきを割り、おこした火で海水を煮詰める“塩作り”です。
実は子どもたちが普段住んでいるのは、東京・埼玉・愛知などの“都会”です。
そんな都会で暮らす子どもたちに、自然とふれあってもらおうと食材通販の会社が企画した、1週間の“地方留学”。その参加者の1人が、愛知県名古屋市からやってきた、小学3年生の伊藤ゆずきちゃん(9)です。
名古屋市在住 伊藤ゆずきちゃん(9)
「家の前より自然がたくさんある。釣りと川遊びが一番楽しみ」
昼食はここで作られた塩を使った、おむすび。宿で待っていたお父さんにもプレゼントします。
父 伊藤宏泰さん
「つくったやつ? ありがとう」
お父さんには、ある思いがあるといいます。
父 伊藤宏泰さん
「都会ではできないような、“非日常の体験”がいろいろできると思いますし、そういった体験を通して、子どもが成長をする」
お父さんもお母さんも愛知県の都市部出身で、夏休みなどに帰省できる“田舎”はないといいます。
今回の“地方留学”が目指すのは、そんな子どもたちの"第二のふるさと"をつくること。
“地方留学”を企画 「雨風太陽」木勢翔太さん
「地方に初めて関わるきっかけを私たちとしてはつくりまして、関心を持っていただいて、今度は自分たちで自発的に地方にいらしていただく」
ゆずきちゃんの“第二のふるさと”は見つかるのか?
この日の行き先は博多からフェリーで30分ほどの「玄界島」。
ゆずきちゃんが最も楽しみにしていた釣り体験です。
ゆずきちゃん
「(餌を)食べているもん」
まわりの子どもたちが、次々と魚を釣り上げます。
ゆずきちゃん
「場所をかえる」
自然が相手では思いどおりにいかないことも…。
ゆずきちゃん
「1匹も釣れんかった」
“地方留学”には地元の人も積極的に協力しています。
そこには、こんな背景も──。
玄界島 漁師 宮川友芳さん
「(人口が)減っている感じというか、子どもが減っているのは目に見えて思いますね」
定住まではいかなくても継続的に訪れるような、いわゆる“関係人口”を増やすことも“地方留学”の狙いです。
最終日には、地元のこどもたちと「スイカパーティー」を楽しみ…この“地方留学”で、新しい友達もできました。
最後の夜、一番心に残った体験を絵日記で発表します。
ゆずきちゃんが選んだのは…
ゆずきちゃん
「おにぎり作ったこと」
──食べた塩、どうだった?
ゆずきちゃん
「おいしかった!」
ゆずきちゃんのお父さんは…
父 伊藤宏泰さん
「もう一度、大人になってからも『行ってみよう』と思うこともあるかもしれないので、すごい良かったなと思います」
名古屋市在住 伊藤ゆずきちゃん(9)
「お塩作りやりたい。釣りで何も釣れなかったから、またやって1匹は釣りたい」
地方と都市をつなぐ、親子の“地方留学”──。
この夏の思い出がまたここに、ゆずきちゃんを連れてくるかもしれません。
(8月2日放送『news zero』より)