外国人観光客に期待も…感染者が増加に 医療現場は“再拡大”を警戒
外国人観光客の入国について、来月から再開する方向で調整に入り、浅草などの観光地では期待が高まっています。一方、東京は、先週を上回る新型コロナウイルスの新規感染者が確認され、高知県では過去最多となるなど、警戒も強まっています。
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東京は10日、久しぶりの晴れ間に恵まれました。
東京・調布市にある、東京都神代植物公園を訪れた人たちのお目当ては、色とりどりのバラの花です。
「赤がとてもきれいなんですね」
新型コロナウイルスの影響で中止となっていた「春のバラフェスタ」が、10日、3年ぶりに復活しました。
東京都神代植物公園・松井映樹園長
「滞留人数を計測しまして、密にならないように運営をさせていただいています」
一方、お客さんのなかには、「GW中は危険だと思ってやめました。密になるだろうなと思いましたので」と話す人もいました。
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東京では10日、新たに4451人の感染が確認され、4日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。
また、高知県では、感染者数が366人と、過去最多となっています。
医師が警戒しているのが、大型連休明けの感染の再拡大です。
ファストドクター代表 菊池亮医師
「やはり人の流れが増えれば、当然、感染者数が増えることが懸念されます」
訪問医療を行う医師が9日夜に訪れたのは、3人の子供がいる家庭です。
母親
「日中は1回だけ、37度8分出たんですよ」
連休中、1歳の子供が発熱したあと、立て続けに母親と別の子供にも、新型コロナと疑われる症状が出たといいます。
連休中の行動を医師が尋ねると、家族でプールに出掛けた際、マスクを外していたといいます。
母親
「GW出かけちゃったんですよ、マスクなしのプールに行っちゃっているので1日」
子供
「(プール)めちゃくちゃ混んでいたの」
菊池医師
「外出の機会が増えたということもあって、外出先での感染を疑うケースがあるかと思います」
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リバウンドが懸念される中、観光地は、政府の入国の制限緩和に期待と不安を抱えています。
東京・浅草にある、着物のレンタル店「浅草着物レンタル大吉」の大友雄介店長は、「本当にわくわくとしか言いようがない。この2年間、本当に我慢をしてきましたので」と話しました。
政府が調整を進めている、来月からの外国人観光客の入国再開に向け、早速、英語と中国語の地図を用意するなど、準備に乗り出しました。とはいえ、これまでは日本人の客が大半だったため――
浅草着物レンタル大吉 大友店長
「欧米(の観光客)ですと、皆さん、日本っぽい柄を好まれる方が多いですね。例えばえーと…、今そういうものを少なくしているので、見つけておけばよかったですね」
――インバウンドの方が少ない分、そういったもの(外国人が好む着物も)少ない?
大友店長
「そういうわけなんですね」
受け入れに向け、こんな本音も抱えていました。
大友店長
「(海外では)マスクをされている方が少ない。そういう方たちが日本にいらっしゃる。個人的には不安な部分も多いと思います」
“規制の緩和”と“感染対策”の両立に今なお複雑な思いを抱えています。