「大川原化工機」えん罪訴訟 控訴審が結審、来年5月判決予定
機械メーカー「大川原化工機」の社長らのえん罪事件をめぐる裁判の控訴審が25日、結審しました。判決は来年5月に言い渡される予定です。
「大川原化工機」の社長ら3人は、軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして警視庁公安部に逮捕された後、起訴を取り消されました。
捜査は違法だったとして、社長らが国と東京都に損害賠償を求めた裁判では、1審の東京地裁が去年12月、捜査は違法だったと認め、国と都に賠償を命じましたが、双方が控訴し、東京高裁で審理が続いていました。
25日に東京高裁で行われた裁判で、会社側は輸出した機械が規制の対象に該当するかについて、「警視庁公安部は捜索差押許可を得るために、輸出規制を担当する経産省の上層部に働きかけ解釈をねじ曲げさせて捜査を進めた」と主張。1審で捜査の悪質性について重要な事実が認定されていないと訴えました。
これに対し東京都側は、「原告らの一連の主張は、一部の捜査員らの臆測や思い込みによる筋書きをそのまま借用したものにすぎない」として、捜査に違法性は認められないと反論しました。
控訴審は25日で結審し、判決は来年5月28日に言い渡される予定です。