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リンゴが高値…夏の猛暑、長梅雨も影響

2020年9月25日 18:58
リンゴが高値…夏の猛暑、長梅雨も影響

いつの時代も人気の果物、リンゴの価格が高騰しています。今年は生産量が少なく、色づきがよくないリンゴも目立つといいます。背景には、何があるのでしょうか。

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都内にある洋菓子店。皆さんのお目当ては―。

リンゴをふんだんに使ったアップルパイ。長野県産のリンゴを驚異のスピードで皮むきし、わずか8秒ほどで完了。そのリンゴを自家製カスタードクリームの上に重ね、生地で包んで編み込みます。

オーブンで焼くこと40分。ふわんと膨れあがったアップルパイ。ポイントは、すりつぶしていないリンゴの食感です。

アップルパイが人気のお店ですが、コロナ禍から立ち上がろうとしている中、今、大きな問題に直面しています。

マミーズ・アン・スリール専務取締役 小松麻梨子さん「価格が今の時点で2割増になっています」

リンゴが高騰しているのです。

農水省の調べによると、9月上旬のリンゴの価格は、平年のおよそ3割高。さらに高値の影響は他にも。

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代官山のリンゴ飴専門店では―。

キャンディーアップル・西野好砂代表取締役「7、8月と全くリンゴがない状態でした」

リンゴは毎日、青森県から産地直送で仕入れていたといいますが、今は、東京の市場でなんとか調達している状況。そう、国内のリンゴの生産量も、直近2か月は平年値を下回っているのです。

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スーパーのリンゴにも異変が起きていました。

スーパーイズミ・五味衛社長「例年はリンゴ1個は100円前後で売ってましたが、2~3割高い形ですね」

さらに―。

スーパーイズミ・五味衛社長「この辺のリンゴ、赤みのノリが悪い」

色づきが悪いリンゴが目立つというのです。

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リンゴに起きている数々の異変。原因の一端を探るため、私たちは長野県の産地を訪問。そこで、ある現象がみられました。

「色が変色しているんですけど」

皮の一部が黄色く変色してしまったリンゴ。いずれも、頭の部分が変色しています。原因は―。

成田屋・成田崇夫園主「日焼けが多かったせいで少し黄色い状態のものが多め、今年の気温が暑かったということで」

先月、列島を襲った異常な暑さ。直射日光を受けたリンゴの表面がダメージを受けてしまったのです。

また、原因は暑さだけではありません。

成田屋・成田崇夫園主「リンゴ特有の病気。長雨が続くとよく出る病気ですが、今年は少し多い」

今年、例年より長かった梅雨の湿気が原因で病気に侵されてしまったリンゴもあります。

これらは市場に出荷できないため、今年の流通が少ない原因の1つとなっています。

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しかし、明るい兆しも。今年のリンゴ、味については―。

「おいしい」

成田屋・成田崇夫園主「今年暑かったことで、通常より甘くできてます」

今後は、収穫のピークも訪れ、流通量も徐々に増加する見込みだということです。