教えて!東京五輪・パラのギモン「気象」
シリーズでお伝えしている来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの特集。前例のない延期決定に今後はギモンだらけ。大会運営を取り仕切る大会組織委員会のキーマンがそのギモンに答えます。8回目の17日は、競技の進行にも関わる「気象」です。
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突然の激しい雷雨や35度を超える猛暑。東京オリンピック・パラリンピックではそんな天気が懸念されています。競技進行や、選手や観客の安全に関わる天気。どのように予測するのでしょうか?気象情報担当の西潟政宣さんに聞きました。
西潟政宣部長「会場ごとにこのあと天気・気温、風向き・強さがどうなるかという情報を1時間ごとに予測して情報提供することを計画しています」
特に屋外競技は風向きなどの影響を受けやすく、大会の進行を大きく左右します。そのため、大会中は「気象情報センター」を設置し、43会場すべての気温や風速、湿度などの予報を1時間ごとに出す予定です。
「雷が落ちるから避難した方がいい」「突然、雨が降るかもしれないので中断した方がいい」など、気象予測に基づく助言を行うのです。
1時間ごとの細かい予測は、競技の公平性を保つためにも重要な役割を果たすといいます。
西潟部長「ボート競技のテスト大会があったんです。海の上をこぐものですから風の影響を受けやすいということで、午後になると風が強くなりそうだと前日からわかっていたので伝えたら、競技責任者が明日のスタートを30分早くしようと、でないと午後には風が強くなってしまい、公平な競技ができなくなってしまう。当日午前中は天気・風がよかったんですが、午後になると風が強くなり、早く判断して競技早めてよかったねと」
気象のデータを見るだけでなく、実際に会場に赴き、「思いの外、風が強い」など、現場の傾向を調査し、さらなる予報の精度をあげていきます。
猛暑が続く日本の夏。新型コロナウイルス対策のため、早めの気象予測が重要だといいます。
西潟部長「みなさんマスクをして観客や大会関係者の方、過ごされると思う。暑さ対策の中ではマスクをするのはぶつかりあうものだということもあるので、今まで以上に暑さの情報をより正確に提供すると。情報提供する重たさが増したんじゃないかと思っています。研さんを積んでいくというのを現在もやっていますし、大会1年弱、これからもトレーニングをしていくということになります」