能登半島地震うけ陸地地震の発生確率など示す「地域評価」早期に評価・公表へ 海域活断層評価は2024年度中にも公表 政府の地震調査委員会
政府の地震調査委員会は19日、有識者らによる部会を開き、元日の能登半島地震を受けて、陸域で発生する地震を地域ごとにまとめて発生確率などを示す「地域評価」について、公表されていないすべての地域で早期に評価を進め結果を速やかに公表する方針を決めました。
国はマグニチュード7以上の大地震が起きるおそれのある長さ20キロ以上の活断層を「主要活断層帯」として地震の発生確率を公表しています。
しかし近年は、「主要活断層帯」以外のこれまで知られていない活断層などによる地震で被害が生じたことなどから、2013年から「主要活断層帯」以外の活断層も含めて地域ごとにマグニチュード6.8以上の地震が起きる確率などを公表していて、これまでに九州地方、関東地方、中国地方、四国地方の4地域で公表されています。
能登半島を含めた中部地方の「地域評価」は公表されていませんが、先月の能登半島地震をきっかけに、地震調査委員会は「公表可能な結果を早期に公表し、防災対策に活用できるようにする」と新たな方針を決めました。
「地域評価」では従来、多くの活断層の調査結果を個別に評価するため検討に時間を要していましたが、今後は過去の地震活動のデータから“平均的に何年間隔で地震が発生するか”という情報のみを使った簡易的な手法で、地震の発生確率を算出し、速やかに公表していくということです。また、活断層の調査は、並行して実施していくとしています。
一方、地震調査委員会は、海域の活断層についても、活断層の位置や形状、地震の規模、発生確率などの長期評価をおこなっていて、これまでに九州と中国地域の北方沖の日本海南西部の海域活断層の長期評価を公表しています。
現在、能登半島沖を含む近畿地方から北陸地方の沖合にある海域活断層の評価を進めていることから、まずは、日本海側にある海域活断層の位置や形状のほか、そこで起きる地震の規模などをまとめて、2024年度中に公表できるものから順次公表していくとしています。
部会長で東北大学大学院の日野亮太教授は、日本海側には多くの海域活断層が存在していることを知ってほしいとした上で、「地震は国内どこでも発生しうることを念頭にして備えてもらいたい」と話しています。