“屋内マスク不要”春にも? インフルエンザと同じ「5類」移行時で調整
政府が、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを現在の「2類相当」からインフルエンザと同じ「5類」に移行した場合、「屋内でのマスク着用を原則不要」とする方向で調整を進めていることがわかりました。日本テレビの小栗泉解説委員が解説します。
■“屋内マスク不要” 首相、週内に閣僚協議へ
有働由美子キャスター
「政府は『屋内でのマスク着用を原則不要』とする方向で、調整を進めていることがわかりました。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを現在の2類相当から、インフルエンザと同じ5類に引き下げることに合わせて、検討するということです。具体的にどう変わっていくのでしょうか。小栗さん」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「まず今は屋内でのマスクについて、政府は基本的に着用を推奨しています。これを、屋内でも『原則不要』にするという方向で調整しているのです。ただ『発熱などの症状がある人や、高齢者や基礎疾患があるといった感染予防の必要がある人には着用を求める案』というのが出ています。岸田首相は20日にも、関係閣僚と協議する見通しということになっています」
有働キャスター
「いつごろになるのでしょうか?」
小栗解説委員
「『春から』というのが、今、政府の中では有力です。関係閣僚の1人は『新規感染者の例年の傾向、年度替わりというタイミング的にも、4月から5類にするというのがベストだ。ただそのためには、もっと前に決定する必要がありますよね。そうすると、その時は感染者数が増えている可能性もある。そこでプレッシャーに負けず、決め切れるかどうかだ』と話しています」
■インフルエンザと同じ扱い「5類」 どうなる?
有働キャスター
「新型コロナが始まって丸3年たつので、見直しというのは必要かと思いますけど、一方で心配の声もありますよね」
小栗解説委員
「国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授は『安心できる医療提供体制が整うまでは、マスク不要に向けた議論というのは時期尚早だと思う』とおっしゃっています」
有働キャスター
「その医療提供体制でいいますと、2類相当から5類に変わると、どうなるのでしょうか?」
小栗解説委員
「5類相当になるということは、『インフルエンザ』と同じようになるということですので、例えば『宿泊療養施設が廃止される』、『公的支援が縮小して、患者が医療費の一部を負担する』、『ワクチン接種も、今の全額公費負担から自己負担に変わる』といった可能性があります。それだけに、専門家からは『段階的に移行するべきだ』という提言が出されています。5類にしたとしても、『当面は治療薬の一部を国が負担し、ワクチン接種は無料のまま続ける』ということなどが検討されています」
有働キャスター
「『どれだけの医療機関が診てくれるか』というのもカギになりそうですけど、辻さんはどう思われますか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「『フェーズに合わせて、アップデートしていく』というのは、すごく大事だと思います。ただその上で『今、こういう状況だから、こういう対策にします』という線引きをしっかり明確に説明しないと、納得感がなくて、不安に感じるという方もいるんじゃないかなとは思いました。前提の共有というのが、まずは必要なのかなと思います」
有働キャスター
「その前提の共有をできる説明というのが、本当に大事になると思いますけど、いつウイルスが変化しても、臨機応変に対応できるように、対策の“アップデート”、政府にはわかりやすく進めてほしいと思います」
(1月18日放送『news zero』より)