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【コロナ後遺症】長引く倦怠感…”働き盛り”は要注意

2023年4月24日 17:14
【コロナ後遺症】長引く倦怠感…”働き盛り”は要注意

今年1月発表された、コロナ後遺症のデータ。“大阪の5つの病院で協力して約1年後にどんな症状が残っているかを調査したところ、全体として56%程度の患者に何かしらの後遺症が残ったことがわかった”という研究結果が。データを発表した大阪公立大学医学部附属病院の井本医師は「軽症であっても後遺症がすごく残りやすいことがわかった」と話す。

コロナ感染時の症状の重い・軽いにかかわらず長引くことがあるというコロナ後遺症。3年前、いち早く後遺症外来を開設したヒラハタクリニックの院長、平畑医師は「最初の症状は軽くなったと言われるが後遺症に関しては逆に変わらず結構きつい症状が出ている」という。

40代のAさんはおととし9月に、新型コロナに感染。1週間ほどで、熱やのどの痛みはおさまったが数日後、どうしようもない息苦しさに襲われたそう。いくつかの病院で診察を受けたものの原因がハッキリせず、先月、平畑医師のもとを訪れコロナ後遺症と診断された。長期にわたる息苦しさや倦怠感から自律神経が乱れ、内臓の機能も低下していたという。倦怠感が最もひどかった時は、家事の途中でしゃがみこんでしまうほどで少し動いては休憩、少し動いてはまた休憩、という状態が2、3か月続いたそう。

これはコロナ後遺症が悪化した“クラッシュ”という状態だと平畑医師は話す。
「クラッシュはだるくて動けなくてトイレに行く、食事をするとかしかできない。体に鉛が入ったように重くなって動けなくなる」

クラッシュが続くと最悪の場合、寝たきりになってしまうケースもあるという。

後遺症が長引く患者には、共通点があると話すのがコロナ後遺症患者を診察してきた聖マリアンナ医科大学病院の土田医師。
「働き盛りの20代から50代の方が多い」

療養期間が終了したあと、無理をしがちな “働き盛り”。土田医師は「ちょっとだるいと思いながら療養期間明けたから仕事もフルで休まずやっている方たちは後遺症になっていく方が多いんじゃないかと思う」という。

後遺症が3か月以上続いているという40代のBさん。去年12月、新型コロナに一家5人が感染。Bさんは1週間ほどで症状はおさまったものの、3人の子どもの看病や家事でしっかり休むことができなかったそう。激しい息苦しさに襲われたのは、療養期間が終わった直後のこと。コロナ後遺症と診断された。土田医師は、ひどい倦怠感を引き起こしているのは「鼻の奥に残ったウイルスによるもの」とみている。

“コロナの後遺症患者には鼻の奥に炎症があるケースが多い”という土田医師。そこを消毒する処置が必要なのだという。Bさんは、近所の耳鼻科で鼻の穴から綿棒を入れ、炎症部分を直に消毒するという治療(上咽頭擦過療法)を受けている。この治療に加え、薬を飲むなどして、徐々に息苦しさや倦怠感が和らいできたという。

また、ヒラハタクリニックで勧めているのは1日3回の鼻うがい。Aさんも市販のキットで鼻うがいを続けている。鼻の奥の炎症を抑えることがコロナ後遺症の有効な治療のひとつだという。ただ、感染してしまった時、コロナ後遺症を防ぐにはどうすればいいのか? 2人の医師に聞いた。

土田医師
「まず一番はじめにしっかり休む。だるさに関してはこれが一番大事だと思う」

平畑医師
「感染したら最初の2か月は無理をしない。仕事はしてもいいけど疲れないようにする。それだけでもかなり防げると思う」

コロナ後遺症の予防には…「療養期間にはしっかり休む」さらに「2か月間は無理をしない」こと。まわりの人たちの理解が最も大事だと医師たちは話していた。

※詳しくは動画をご覧ください。(2023年4月24日放送「news every.」より)