年金保険料の納付「5年間延長案」を撤回 厚労省
厚生労働省は、将来の年金額の推計結果を公表し、前回の検証よりも見通しが改善されたとして、導入を検討していた年金保険料の納付期間を45年間に延ばす案を撤回しました。
「年金財政検証」は5年に1度行われる年金制度の定期健診とも言われるもので、出生率、労働者数、経済状況について、良くなる場合と悪化する場合を想定し、今後およそ100年の年金額を推計します。その結果、出生率は多少改善し経済成長はデフレが続いたこれまでの30年と同程度の場合、たとえば2057年度で、今32歳の会社員と専業主婦世帯の年金額をみると、月額21万1000円で、今の高齢者の年金額よりも18%目減りするということです。
ただし、むこう100年間の年金額は、法律で定めた水準よりは高く、厚労省は制度の持続性は確認されたとしています。そして、5年前の検証結果よりも見通しが改善したことから、厚労省は、年金保険料を納める期間を40年から45年に延ばす案を今回の改正では、導入しない考えを明らかにしました。