自宅療養中…救急依頼も「病院1つもない」
新型コロナウイルスに感染し救急搬送を要請しても、受け入れる病院がないケースが相次いでいます。自宅療養中の札幌の女性(29)は呼吸が苦しくなり救急車を呼びましたが、「搬送できる病院がない」と自宅へ帰されました。女性が伝えたいメッセージとは。
■「酸素が足りず…」救急車を呼ぶも
「『現状、あなたを運べる病院は1つもありません』と言われてしまいました」
こう振り返るのは、新型コロナウイルスに感染して自宅療養を続ける、札幌市在住の女性(29)です。救急車を呼んだものの、病院に搬送してもらえない現実に直面したといいます。17日、話を聞きました。
女性は13日、コロナ陽性が判明しました。その日の夜、苦しい症状に見舞われました。
「吸っても吸っても、酸素が足りなくて。酸素マスクみたいなものがあるなら着けてほしい、今すぐ着けてほしいっていうぐらい、苦しかったです」
体温計は38.5度を示していました。熱も下がらなかったため、救急の相談窓口に電話。「状態が悪いから救急車を呼んでください」と言われ、そのまま依頼しました。
■医療体制の現実「他人事じゃない」
駆けつけた救急車に乗って搬送先を探してもらいましたが、しばらくして「搬送できる病院がない」と告げられたといいます。
「え!と正直びっくりしちゃって。何もしてもらえずに(自宅に)帰されたっていう」
その後も自宅療養を続け、幸いにも体調は少しずつ良くなっているといいます。
佐藤梨那アナウンサー
「伝えたいのは、どういうことですか?」
女性
「(コロナに)かかったとしても、誰かが守ってくれるだろうとか、病院が診てくれるだろうという気持ちは正直、今は捨てた方がいいと思います。本当に診てもらえない現実が、ここにありました。他人事じゃないんだと思って、毎日過ごしてほしいと思います」
(8月17日『news zero』より)