結婚式キャンセル訴訟 解約料必要と判断
新型コロナウイルスの影響で結婚式をキャンセルした際の式場側への解約料をめぐって争われた裁判で、東京地裁は「結婚式を行うことが不可能であったとまでは認められない」などとして、解約料の支払いが必要との判断を示しました。
この裁判は、去年3月、東京・南青山の結婚式場で結婚式を行う予定だった原告が、新型コロナの感染状況を考慮して挙式をキャンセルした際に生じた解約料をめぐり、式場側を訴えていたものです。
判決によりますと、原告は、契約に基づき式場側に事前におよそ615万円を支払っていましたが、挙式3日前にキャンセルを申し入れたところ、解約料およそ485万円が必要とされ、解約料を差し引いた金額が返金されたということです。
これについて、原告は、新型コロナウイルスのまん延は、天災などで挙式ができない場合に費用の全額が返金されるケースと同様、「不可抗力」に当たるとして、式場側に対し、解約料およそ485万円の返還を求める訴えを起こしていました。
東京地裁は27日の判決で、「挙式を行うことをちゅうちょする心情は十分理解できる」とする一方、キャンセルを申し込んだ去年3月25日当時について、緊急事態宣言が発出されていなかったことや、その後出された休業要請などの対象に、結婚式場が含まれていなかったことなどを指摘しました。
その上で、「結婚式を行うことが不可能であったとまでは認められない」として、新型コロナウイルスのまん延は「不可抗力」に当たらないとし、原告が求めていた解約料の返還を認めない判決を言い渡しました。
東京地裁は式場の天井の高さや、式場側が行っていた感染防止対策などにも触れ、東京都が避けるよう要請していたいわゆる“3密”状態に当たるような場所ではなかったと判断しました。