特別な“体験”をホテルで “城”に宿泊も
コロナ禍で集客に苦戦を強いられているホテル業界が状況を打破しようと新たな取り組みを始めています。これまでにない特別な体験を目玉にして新たな客層を呼び込む試みですが、本物の城に泊まることができるホテルも開業しています。
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開業1周年を迎える東京・浅草の浅草東武ホテル。
記者
「ベッドの真横には運転席があります」
10月から新たにオープンする客室というのが、室内の一角に電車の運転台が置かれた部屋です。
東武ホテルマネジメント・営業部主任 矢嶋良多さん
「実際の東武鉄道の運転士が使用していたシミュレーターをお部屋の方に置きました」
東武鉄道で実際に訓練で使われていた運転台なんです。その名も「運転シミュレータールーム」。駅名標や路線図などが装飾された部屋で“電車の運転士”になれるのです。
実際にスタッフも体験しました。
「知らせ灯、点!ブザーよし!進行!発車!」
順調に進んでいましたが、ブレーキが間に合わず、ホームを通過してしまいました。
鉄道ファンにはたまらない“貴重な体験”をすることができます。
東武ホテルマネジメント・営業部主任 矢嶋良多さん
「気軽に鉄道旅行ができない状況になっていますので、お部屋の1室の中で鉄道の旅を楽しんでいただければなと」
シミュレータールームは1日1室限定で、定員は2人まで。10月は日帰り利用のみですが、11月からは宿泊プランも開始するということです。(運転指導はプランに含まれていません)
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コロナで苦戦する宿泊業界。こうした“特別な体験”ができる宿泊施設が続々登場しています。
【音楽の街ではレコードを】
ライブハウスが立ち並ぶ“サブカルチャーの街”下北沢では、その“特色”を生かしたユニークなホテルが9月に誕生しました。
MUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA 森裕之支配人
「お部屋で聴いていただける無料の貸し出しレコードです」
ジャズやヒップホップなど、およそ300種類のレコードが無料で借りられるんです。
60あるすべての客室にレコードプレーヤーを完備。好きなレコードを客室に持ち込むことも可能だということです。
MUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA 森裕之支配人
「30分から利用できるので、気軽にコーヒーを飲みながら音楽を聴いてリラックスして、仕事へ行かれる方も利用されています」
リモートワークで利用する人も多いということです。(デイタイムプラン 30分500円~)
【1日城主体験】
“一国一城の主(あるじ)”になれる宿泊施設も登場しました。
平戸城キャッスルステイ懐柔櫓を運営 狼煙・鞍掛斉也代表取締役
「日本の中でも初めての常設のお城に泊まれるホテルを開業しました」
日本100名城の1つに数えられる長崎県の平戸城。その中に建てられた櫓(やぐら)に泊まれるのです。
かかった費用は9700万円。日本らしさを強調した内装で、オーシャンビューも楽しめます。
そして、夜には“城主さながら”、天守閣でお酒を楽しむこともできるといいます。
狼煙 鞍掛斉也代表取締役
「泊まられた方は夜、天守閣を貸し切りという形で最上階でおもてなしをする」
■平戸城キャッスルステイ懐柔櫓 1日1組限定(5人まで)1泊60万円(税込み・サ別)
狼煙 鞍掛斉也代表取締役
「お城を起点とした平戸の生活・歴史・文化をすべて体感してもらうことを考えている」
10月以降は、地元の魅力も体験できるような 宿泊プランを展開していくということです。