「食品ロス削減月間」身近なモノでひと工夫
10月は消費者庁などが“フードロス”を減らそうと呼びかけている、「食品ロス削減月間」です。食材を余らせないために、身近なものでできるひと工夫など、様々な取り組みが広がっています。
先週、東京駅の目の前にオープンした“食の未来”を提案する野外フードコート。キッチンカーで作っていたのは、ジントニックです。
最後にまぶした茶色い粉は!?
店員
「コーヒーのカスです。破棄しちゃうものなんですけど、それを再利用しているものです」
コーヒーを淹れた後に残るカスを、ジントニックにまぶした1杯。飲むとコーヒーの風味が漂うといいます。
さらに、彩り鮮やかな野菜のバーニャカウダーには…。
店員
「こちら規格外のルッコラになりますね」
傷がつくなどして、市場には出回らなくなった“規格外”の野菜を使用しています。規格外野菜のサラダを注文したお客さんは「おいしくいただきました」と話しました。
このフードコートの狙いとは――
東京建物 都市開発事業部・沢俊和さん
「規格外野菜を使うとか、コーヒーの搾りかすを再利用する。そういったフードロスの対策もしております」
実は、10月は「食品ロス削減月間」。日本では、本来食べられるのに捨てられてしまう食品が、年間612万トンも発生。これは国民1人当たり、毎日ご飯1杯分を捨てている計算です。そこで、消費者庁などは10月に“フードロス”を減らす呼びかけを強化しています。
エスビー食品が10月、ホームページで新たに公開したのは、調味料を使って、手軽に“余った食材を使い切るレシピ”。「大根を1本買ったものの、余らせてしまう」という人も多いはず。そこで、余った食材の量に応じたレシピを紹介していて、少量の大根の場合は、千切りにしたサラダがおすすめだといいます。
味付けに使うのは、明太子のスパゲティソース。あえるだけで、あっという間に完成しました。
エスビー食品株式会社 SDGs推進チーム 担当マネージャー・森田郁子さん
「コロナ禍で、家庭内で食事をされる機会が増えたり、食品ロス問題が、今まで以上に大きな課題になっていると。(使い切りレシピで)捨てずに最後まで使えるねって、お客様に思っていただきたい」
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食品の宅配サービスを行う会社では、梅酒作りで使い終わった梅の果肉を、お菓子に生まれ変わらせて発売。梅酒の風味が詰まった果肉と、クルミを合わせたドイツで定番のお菓子、シュトレンです。
ブロッコリーの茎などを活用したチップスでは、フードロスの削減量が3.5トンを超えたということです。
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創業130年を超えるフランス発のベーカリーにも、“フードロス削減”メニューがあります。
焼き上がったのは、サックサクのパイ。上にゴロッとのっているのは、強い甘みが特徴の梨、「幸水」です。
PAULでは、台風の被害などで規格外となった季節のフルーツを使って、月替わりのメニューを販売しています。
PAUL事業部 販売担当・小俣理乃さん
「おいしく食べていただきながら、食品ロスができたらいいなと思います」
お客さんは「食べられる食材が廃棄されるのが、もったいないなと思っていたので、すばらしい取り組みだと思っていて」と話します。
7か月で約2500キロの食品ロス削減につながったということです。