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緩和に向け実証実験 飲食店“期待と不安”

2021年10月12日 20:21
緩和に向け実証実験 飲食店“期待と不安”

東京都では12日、新たに77人の感染者が確認され、日常を取り戻す動きも徐々に進んでいます。また、各地で本格化する行動制限の緩和に向けた実証実験について、飲食店からは期待や不安、様々な声が聞かれました。

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東京・江東区のワクチン接種会場。12日に接種を受けた人に話を聞きました。

1回目の接種を受けた江東区民(77)
「予約なしです」

江東区では、事前予約なしのワクチン接種を、モデルナ社製は先週から、ファイザー社製は12日から実施。

1回目の接種を受けた大学生(19)
「そのまま行って注射受けられるなら、じゃあ行こうかなと。予約とかちょっと面倒と思っていたので」

   ◇

そのワクチンに関して12日、岸田首相は…

岸田首相(参議院本会議)
「3回目の接種については、早ければ本年12月から開始することを想定して、しっかりと準備を進め、円滑な実施に万全を期してまいります」

そして、3回目の接種については「全額、公費で負担する」と表明しました。

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東京都では12日、新たに77人の感染を確認。ワクチンの接種が進むなか、感染者も減少しています。

感染者が減り、9月で解除された緊急事態宣言。学校では変化が出ています。

青稜中学校・高等学校 青田泰明校長(東京・品川区)
「学校に来る生徒が増えたのは一つ大きな変化かなと思います」

現在も、登校するか、オンラインで授業を受けるか、選べるというこの学校。緊急事態宣言があけ、ワクチン接種も進んだことなどから、登校を希望する生徒が10月に入り100人ほど増加。

さらに、半分に減らしていた部活動の時間も、10月から30分延ばしたということです。

この状況に生徒は…

青稜高等学校 陸上部の高校2年生
「走り終わってからの体のケアを省かないといけなくて、60分間だと。90分になるとそういうのができるようになった」

青稜高等学校 高校2年生
「クラスほぼ全員が対面授業。全員がそろうと団結感が生まれるというか、みんなでがんばっていける」

徐々に正常化に向かう教育現場。それでも…

青稜中学校・高等学校 青田泰明校長
「学校としての感染対策について、しっかりやっていくのは変わらない」

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こうしたなか、埼玉県が初めて行うのが行動制限緩和に向けた実証実験です。

埼玉県 大野知事(10月7日)
「技術実証しておかないと、課題も出てこないし、これはやらなければいけない」

その舞台は、埼玉県の中ほどに位置する上尾市です。期間は10月下旬から2週間程度で、ワクチン接種証明書や陰性証明書を活用し、営業時間や酒類の提供時間、人数の制限について、現在の措置を緩和します。

県は、地理や人口などをふまえて上尾市を対象地域にし、今週、説明会を行う予定です。

12日、市内の飲食店を訪ねました。

楠木亭 黒須奈津子店長
「その制度が有効的に活用できれば、売り上げ的にも回復できていいのかなと。(実証実験への)期待は大きいです」

実証実験に期待する一方で…

楠木亭 黒須奈津子店長
「積極的に参加したいと思うけど、もし地元住民に不安を与える、危険にさらすなど、モヤモヤ感が残れば参加を見合わせるかなという思いも」

また、別の店舗では…

ペコペコ酒場フィジー 鯉沼達夫店長
「(実証実験への参加は)やめようかなという話にはなっています」

2人で営業しているというこのお店。人手の面などから実証実験への参加は簡単ではないといいます。

ペコペコ酒場フィジー 鯉沼達夫店長
「(接種証明などの)チェックも1度、お客さまに立ち止まってもらって(確認となると)注文とることなどが遅れてしまうので、(店を)回せない状況になるのではないか」

検証結果は、感染が再拡大した際に飲食店への要請内容の検討に活用されるということです。