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病気原因の「老化細胞」 糖尿病治療薬での“除去”が判明 順天堂大学などの研究チーム発表

2024年5月30日 23:47

加齢によって体内にたまり、動脈硬化など様々な病気の原因となる「老化細胞」を糖尿病の治療薬によって取り除くことができることがわかったと、順天堂大学などの研究チームが発表しました。

老化細胞は加齢により体内にたまるとされ、動脈硬化や糖尿病、心不全など様々な病気を引き起こすとされています。

順天堂大学などの研究チームは、この老化細胞を糖尿病の治療薬などとして使われている「SGLT2阻害薬」で除去できることが、マウスの実験で明らかになったと発表しました。

「SGLT2阻害薬」は、免疫の働きにブレーキをかける、ある物質を抑えて、老化細胞を取り除く免疫の働きを活性化することがわかったということです。

これまでにも、老化細胞を除去する薬は開発されていましたが、多くは抗がん剤で、大きな副作用があったため、臨床で使用可能なものはなかったということです。

一方、今回明らかになった「SGLT2阻害薬」は、すでに糖尿病の治療薬などとして使われているもので、副作用は非常に少ないとされています。

研究チームはマウスによる実験で、老化細胞を除去すると認知機能が改善されることも明らかになっているとしていて、この薬を服用することで、アルツハイマー病など年を取ることによって起こる様々な病気を改善できる可能性があるということです。

順天堂大学などは「SGLT2阻害薬」を老化細胞の除去薬として使えるようにするため、ヒトでの臨床研究の計画を立てていて、今年度中に臨床研究を実施するための承認を得ることを目指しているということです。