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「達成できないと降格や左遷」現役店長が語る“ノルマ”の実情 ビッグモーター不正請求問題

2023年7月20日 20:21
「達成できないと降格や左遷」現役店長が語る“ノルマ”の実情 ビッグモーター不正請求問題

中古車販売大手のビッグモーターがわざと車を傷つけるなどして保険金を不正に請求していた問題。従業員には厳しいノルマが課せられていたといいます。その実態について現役の店長が語りました。

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語られたのは、あまりに過酷な社内の実態です。

「ビッグモーター」現役店長
「強烈なノルマを設定して、達成できないと降格や左遷人事があった。なんとか目標を達成しよう、自分の生活を守ろうと」

不正行為が明らかとなった、中古車販売大手「ビッグモーター」。修理に出された車を工具を使ってひっかいたり、ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたき、ひょうで傷ついたように見せかけたり、修理範囲をわざと広げるなどして、損害保険会社に対し不正な水増し請求を行い、過剰な支払いを受け取っていました。

従業員に課された厳しいノルマや上司からの圧力で、不正行為が広がったとみられます。ビッグモーターの現役の店長が、その実情を明かしました。

「ビッグモーター」現役店長
「営業部門でいくと、販売台数・買取台数・店舗の経常利益。サービス部門だと車検の台数。達成できないと、降格人事・左遷人事が起きる状況」

ノルマは社内の様々な部門で課されていて、達成できなければ、厳しいペナルティーが待っているといます。

「ビッグモーター」現役店長
「(新型コロナ前は)3か月前年比を割ると一発降格。店長であれば一般営業、工場長でいくとフロントという受付のような業務や一般整備士。弁解の余地は現場はない」

――実際に「一発降格」は店長の周りでも起きていますか?

「ビッグモーター」現役店長
「もう日常茶飯事」

店長から降格すると、35万から100万円、月給がダウン。取材に応じた店長も過去にノルマを達成できず、一発降格となった経験があるといいます。社員がおびえる一発降格の判断基準は他にもあるということです。

「ビッグモーター」現役店長
「“環境整備”という役員が店舗を月イチで巡回するイベントがある。お出迎えが遅かったり、挨拶ができていなければ降格。店が整理整頓されていなければ降格。毎週配布しなければならないチラシを商談席に置いておかなかっただけで降格」

“環境整備”の日は、朝から戦々恐々とするといいます。

そんな本社の幹部らと各地の店長で構成されたグループラインがあるといいます。並んでいたのは、罵詈雑言の数々です。

本社の幹部(グループラインにて)
「ふざけた報告すんなボケクソが!!!!!」
「返答もできねーなら店長おりろ、ボケが」
「隠蔽、誤魔化すなら営業してろ、ボケが」

さらに、このグループラインも降格の判断基準になったといいます。

「ビッグモーター」現役店長
「ラインに店長陣が招待されて、ラインに入るスピードが遅かったら解任」

実際、上層部からは、「招待中で入らないボケは招待するな。今すぐ入るか、消せ。当該店長、役職者は解任してください」とのメッセージが投稿されていました。グループラインに参加しなかった店長たちの一部は、降格されたといいます。

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店長によると、今回の報道後もノルマを達成するよう指示が出ているといいます。さらに今、行われているというのが…

「ビッグモーター」現役店長
「過去のラインを本部が消す作業をしていました。 火消し作業というか、証拠隠滅というか。世間さまにもそうですし、働いている我々に謝罪はできないのか。何も説明がない不信感につながっている。役員全員入れ替えたり、抜本的な改革をしない限りは前進しないのかなと思います」