無形文化遺産に「伝統的酒造り」多彩な味わいが世界を魅了…日本の“SAKE”に舌鼓
ユネスコの「無形文化遺産」に日本の「伝統的酒造り」が登録されることが決まりました。世界に認められた“日本の酒”。日本だけでなく海外の人も魅了していました。
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また1つ“日本の伝統”が世界に認められました。
東京港醸造 杜氏 寺澤善実代表
「すごく喜ばしくてうれしい。それを通りすぎて、すごく光栄。先人の技術者・研究人から引き継がれた、いまの文化遺産なので」
日本酒や焼酎などを造る「伝統的酒造り」。500年以上の歴史を紡いできた日本、唯一無二の職人技がユネスコの「無形文化遺産」に登録されることが決まったのです。
東京23区でただ1つの酒蔵「東京港醸造」。東京産の米と水だけを使った“オール東京”の日本酒などを造っています。
この日は、週に1度の「麹」完成の日。
東京港醸造 杜氏 寺澤善実代表
「これは火曜日から(始めて)53時間くらいですね」
完成までには1か月半ほどかかるという日本酒。麹の出来が味を左右するということです。
東京港醸造杜氏 寺澤善実代表
「米と水の2つだけを利用して、フルーツの香りやおいしいうま味があったり。深く知れば知るほど神秘的。ぜひ味わっていただきたい」
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奥深い“日本の酒”は世界を魅了しています。外国人観光客が多く訪れる東京・浅草では、日本酒をたしなむ外国人観光客を発見しました。先月できたばかりの日本酒の体験施設では、月替わりで50銘柄ほどの日本酒を味わうことができます。
ロシアからやってきたという夫婦は、日本酒をグイッ。さらにグイッ。またまたグイッと10杯分もお買い上げ。
店員が思わず質問すると…
店員
「強いですね」
ロシアから
「強い?」
店員
「お酒に」
ロシアから
「このお酒は強くないよ」
──日本酒の魅力は?
ロシアから
「一番の違いは、ヨーロッパのお酒は甘い。砂糖が入っていて、ロシア人には甘すぎます。日本酒は甘いですが、ちょうどいい。いいバランスです」
銘柄によって味が異なるところも魅力のようです。
銀座にある日本酒のセレクトショップでも、スペインから日本へ来たという、外国人観光客に出会いました。
スペインから
「私はサケ(日本酒)の方が好き!特においしいサケ(日本酒)だとね」
特に日本で飲む日本酒が好きなんだとか。
「無形文化遺産」については…
スペインから
「100%値するよ。日本が優れている技術力の高さを表していると思うよ。素晴らしいものを作って改善し続けるというね」
韓国から来たという2人はスパークリングの「獺祭」をお買い上げ。日本のお酒は料理に合わせて楽しむということです。
韓国から
「ビールはフライドチキン。魚、特に白身魚は日本酒か焼酎」
さらに、この日は “お酒のプロ”にも遭遇しました。アメリカでワイナリーを経営している男性です。
アメリカから(ワイナリーを経営)
「私は27年間、カルフォルニアでワイナリーを経営しています」
──日本酒、どう思いますか?
アメリカから(ワイナリーを経営)
「日本酒は透き通っていたり濁っていたり、冷たくても温かくても、より味が深いです。日本酒はワインより複雑。とても興味深いです」
ワインよりも複雑…その奥深さこそ、魅力なのかもしれません。
“日本酒人気”は 海外でも。
日本料理 蔵善・小林金二社長
「中国国内で、日本酒の人気はとても高い」
中国・北京にある日本料理店では、27種類の日本酒がずらり。選択肢が多いほど喜ばれるといいます。
──日本酒好き?
お客さん
「好きだよ。日本酒は熱く飲んでも、冷たく飲んでも、心地が良い」
また魅力は、味だけではないようで…。
日本料理 蔵善・小林金二社長
「最近人気は『一滴入魂』。言葉が、中国人の方にいいんですかね」
“銘柄”で選ぶ人もいるようです。
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世界が注目する“日本の酒”。今後、ますます愛される存在となりそうです。