性別変更後に生まれた子どもとの親子関係認める 最高裁
男性から性別変更した女性が、凍結していた精子を使ってパートナーの女性との間にもうけた子どもとの親子関係を認めるよう求めた裁判で、最高裁は21日、性別変更後に生まれた二女との親子関係を認めました。
この裁判は、性同一性障害で男性から性別変更した40代の会社員の女性が、性別変更前に凍結した自身の精子を使ってパートナーの女性との間に生まれた子どもとの法的な親子関係が認められるかが争われていたもので、2審の東京高裁は2022年、性別変更後に生まれた二女との親子関係を認めない判決を言い渡しました。
最高裁は21日、2審判決を取り消し、二女との親子関係を認めました。
最高裁は、「血縁上の父と子の関係は、法的性別が男性か女性かによって異なるものではない」とした上で、「法的性別が女性だという理由で監護、養育、扶養を受けることなどできないのは、子の福祉、利益に反するのは明らか」と指摘しました。
血縁のある父親が、性別変更後にもうけた子どもとの親子関係について、最高裁が判断を示すのは初めてです。
親子関係が認められた女性は、「子どもの権利を考えた上で、今の時代にアップデートされた判決だと評価しています」とコメントしています。