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能登半島地震 液状化被害の内灘町を専門家調査

2024年1月30日 17:24
能登半島地震 液状化被害の内灘町を専門家調査
能登半島地震は地震の揺れによる倒壊の被害とは異なり、建物が沈み込んだり地盤が波打つなどの深刻な液状化の被害に見舞われた町があります。金沢市のとなり、内灘町から中継です。

内灘町では倒壊した家などは少ない半面、道路がめくれ上がったり家や電柱が傾いたりする液状化が深刻で、珠洲市などで見られるものとは違った被害が広がっています。

内灘町に生まれ育った男性は地震で液状化がおき、その後、時間をかけて家が沈み続けたと話していました。

内灘に住む男性
「もうどうしようもない感じになりました。最初は亀裂だけで、液状化で砂が出てきて、だんだん下がっていきました。日がたつと沈む量が大きくなりました。水がばーっと出て、砂も出たので」

男性が見せてくれた子供の頃の写真には、周辺に沼や田んぼが広がっていました。内灘町は砂丘の麓にあり、湖を埋め立ててできています。

こうした中、30日朝から地質学などを研究する金沢大学の専門家らが内灘町でドローンを使った詳細な調査を行いました。ドローンからは通常のカメラに加え、レーザー光を使用した地面の起伏の詳細な撮影も行われました。

金沢大学・遠藤准教授
「液状化によって緩く傾斜がついた斜面が干潟側に滑る地滑りが起きます。急速に干潟側の傾斜が水平に近づくので、こちら側はあまり滑らないです。滑る側と滑らない側の境界で(滑らない側が)動かないので、(滑る側が)押し上げてしまって押し合う力が働いて道路がめくれる」

内灘町には砂丘がありますが、地震で砂の層が液状化し地盤が道路や建物ごと傾斜をズレ下り、その先にある水平な地盤に乗り上げたと分析しています。

専門家は、空からの画像データに加えふき出している砂の成分なども分析し、内灘町の地形と液状化との関係をさらに詳しく調べていくということです。

30日、内灘町を石川県の馳知事が視察し、なぜここで深刻な液状化が発生したのか、防災に強いまちづくりのためにも 徹底した調査を行う考えを示しました。